沼倉孝一役・松田龍平について
ーー松田さんとの共演はいかがでしたか? お話し聞いていると笑いそうになったりしませんでしたか?
西野 ”早くカットかかってくれないと吹き出しちゃう!”ぐらいで、ギリギリカットと同時に吹き出したときもありました。あの沼倉のキャラが強烈で‥‥
ーーずるいでよね、松田さんのあの感じで沼倉のキャラクターを演じると。
西野 ずるいです!
倉科 (笑)。
西野 松田さんが、あのキャラクターを演じてらっしゃることが、やっぱり最高で面白かったです。
倉科 私もダメでしたね。対面するだけでも、もうなんか吹き出しそうになっちゃうというか‥‥(笑)。飄々とバカバカしいことを真面目な顔をしてやってらっしゃるので、すごくシュールでした。しかも松田さんが全然笑わないんですよ。
ーーそうなんですか!?
倉科 オフタイムは違いますけどね。存在自体がもう面白すぎて(笑)。
西野 ふふふ。
倉科 私は、もう結構ツボちゃって我慢ぜずに笑ってました。
ーーツボといえば、マッサージシーンも面白かったですけど、本格的に施術していましたね。
西野 私が演じた里香もマッサージの専門学校に通っている設定なので、少し教えていただいたんですけど、すごい難しかったです。指への負担が結構かかるので、何度もやっているとめっちゃ痛くなるんです。
ーー結構、力を入れて施術してるんですか?
西野 手元が映るシーンは、しっかりとやってますね。松田さんは、施術シーンが一番多かったので、ツボの位置とかも的確にやってらしたので、大変そうでした。
倉科 ちゃんとした先生の指導が入っていて、本当に真面目にコメディドラマに取り組んでいるのも面白いんですよね。
ーー実際におふたりとも松田さんの施術を受けましたよね? 松田さんのマッサージ技術はいかがでしたか?
西野 肩をやってもらうシーンで、普通に気持ちよくて寝落ちしかけていました。
倉科 本当? すごい。
西野 ”本番!”の音で目が覚めちゃったことが‥‥。
倉科 (笑)。
西野 ”ヤバい! どこだ? このシーン”って思って、すっごいヒヤヒヤしました。
ーー倉科さんはいかがでしたか?
倉科 私は、マッサージを受けながら、スパイとして情報を伝えるシーンがあるんですけど、全然癒されなくて‥‥。
西野 (笑)。
倉科 ”松田さんにマッサージされてる!”って思ったら、なんか緊張しちゃって、めっちゃ強張っちゃいました。
西野 逆に(笑)。
倉科 だから寝られたって、リラックスしていて、すごいなと思った。
西野 私と正反対でしたね(笑)。
女優からみたヤバい奴
ーー西野さんのセリフで「やっぱりやべえ奴だった」というセリフがよくあるんですけど、おふたりは、”やべえ奴”に会ったことありますか?
西野 ありますね‥‥。
倉科 結構いるんだね‥‥。
一同 (笑)。
倉科 私、ないです。
ーーでは、沼倉って、おふたりから見てもヤバい奴ですか?
2人 うん、ヤバい‥‥。
ーー具体的にどのあたりがそう思いますか?
西野 あんまり人に迷惑をかけてはいないから、ヤバい奴のなかでも害のない方ですよね。ちゃんと施術もしてるし、腕もいいし。
倉科 でも復讐を企てる時点で、”ヤバい奴”じゃないですか。
西野 (笑)。
倉科 ”復讐したい!”に加えて、方向性が違う感じもそうですよね。「北斗の拳」を入り口にして指圧にのめり込む姿とか、ある意味ヤバい。私は沼倉みたいな人、あんまりいないかな? 西野さん、いますか?
西野 沼倉みたいな、ちょうどいいヤバいエピソードは難しいかもしれないです‥‥(笑)。すみません。
取材・文・構成 / 小倉靖史
撮影 / 藤本礼奈
幼い頃、ヤクザに母を奪われた沼倉孝一は、復讐のために愛読書であった「北斗の拳」を読み込んで暗殺拳を学び、母の仇を討つことを固く誓った。
これは復讐に燃える男が、暗殺拳を極めようとした果てに、人々を幸せにする物語である。
監督:関和亮、スミス、中山佳香
脚本:バカリズム
原作:ジャスミン・ギュ「ケンシロウによろしく」(講談社「ヤングマガジン」連載)
出演:松田龍平、⻄野七瀬、倉科カナ、矢本悠馬、斉木しげる、勝村政信、野間口徹、松井愛莉、大鶴肥満(ママタルト)、義江和也、筒井真理子、中村獅童
©ジャスミン・ギュ/講談社 ©DMM TV
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公式サイト dmmtv/original/kenyoro/