Oct 19, 2023 interview

西野七瀬×倉科カナ インタビュー 心の声が笑いのツボをつくコメディドラマ「ケンシロウによろしく」ーーそして彼女たちはユリアを知らない

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「週刊ヤングマガジン」(講談社)で大人気連載中のジャスミン・ギュによるギャグ漫画「ケンシロウによろしく」が実写化され、DMMTVオリジナルドラマ第1弾として独占配信中だ。

本作は、数々の映画やドラマで活躍する松田龍平を主演に、ドラマ「ブラッシュアップライフ」など次々と話題作を生み出すヒットメーカー・バカリズムが脚本を担当する話題作。

復讐のために「北斗の拳」を読んで暗殺拳を学び、なぜか史上最強の凄腕マッサージ師となる主人公・沼倉孝一を松田龍平。そして、沼倉に弟子入りする専門学校生・坂本里香を⻄野七瀬、沼倉から母親を奪ったヤクザ・木村猛志役を中村獅童、沼倉の母親役を筒井真理子、ヤクザ専門雑誌の記者として働きながら沼倉の復讐を手助けする久田佳子役を倉科カナ、バーチャルアイドルを応援するオタク・中村ひろし役を矢本悠馬、大手IT企業の社長・野田修役を斉木しげるが演じる。

この度、「北斗の拳」でいうユリア的存在の西野さん、マミヤ的存在の倉科さんに、コメディについて、主演の松田龍平について、そして主人公のキャラクターについて伺った。一体、彼女たちは、どのようにして笑いの経絡秘孔を突いたのか?

コメディの特有の難しさ

ーーこの作品にオファーを受けたときは、どんなお気持ちでしたか?

西野 ギャグ漫画が原作だと聞き”コメディ作品の経験があまりない私で大丈夫なのかな?”という気持ちでした。

倉科 今回のドラマ化にあたって、原作を読ませていただいて、そのままでもすごく面白いんですけど、脚本ではバカリズムさん独特の世界観がプラスされていて、より一層面白味が増しているなっていう印象を受けました。

加えてキャストとスタッフの皆さんのお名前もお聞きして、混ぜるな危険みたいなものたちが勢ぞろいしていて、”これはヤバい作品になるな”って思いました(笑)。

一同 (笑)。

倉科 面白い作品に参加できるのはすごく嬉しいですし、どうにか爪痕残したいなと思いながら挑みました(笑)。

ーーちなみに、おふたりは「北斗の拳」を読んだことあるんですか?

倉科 いやぁ漫画は‥‥アニメは観たかな?

西野 私もアニメでした!

ーー西野さんが演じていた里香が「ユリア」って呼ばれている意味わかりました?

西野 なんとなく? 名前は聞いたことあるけど‥‥という感じで。

倉科 わたしも(笑)。

ーーなるほど(笑)。ドラマ本編では、心の中で松田さん演じる沼倉にツッコむモノローグが多くありました。ツッコミ役として苦労したことなどありますか?

西野 表情を作って、後から確定したセリフを入れるというかたちで、私にとって新鮮な撮り方でした。
事前に仮でモノローグを録っておいて、実際の撮影現場で心の声を流すんです。みなさんに聞こえている状態で、松田さんは聞こえていない顔をしなきゃいけないから、難しそうだなと思っていました(笑)。

ーーなるほど。倉科さんもモノローグありましたよね。

倉科 少しですけどね、やっぱり度合いが難しいですよ。心の声と表情を一致させるのか、別の方が面白いかとか。その都度、振り幅が結構あるので(笑)。

西野 確かに。いろいろな方向性で正解がありそうで、どのかたちがいいんですかね?みたいに現場で探りながらお芝居していました。表情をちゃんと作るのか、無表情だけどモノローグが激しいのか、とか。バランスが難しかったです。

倉科 ねー。監督の指示を仰ぎながら、周りにいる松田さんの演技とのバランスを見てやるのは難しかったですね。

ーーコメディ特有の難しさってあるんですか?

西野 今までコメディタッチの演技をあまりしたことがなかったのもあるんですが、やっぱり笑ってもらうって難しい。
でも実際の撮影では意識しないようにしていました。バカリズムさんの脚本のとおり、変に自分で何かやろうとはしなかったですね。

倉科 笑いは一番難しいですね。コメディっていうのは、やっぱりセンスみたいものが問われるんですよ。だから毎回、コメディタッチの作品に参加するときは、結構冷や汗をかきながらやってるところはありますよ(笑)。

ーー他作品とは違った緊張感なんですか?

倉科 はい。瞬発力も必要だし、間合いもやっぱり大切。表情のさじ加減で、結構変わるので、一番難しいジャンルですね(笑)。

ーー今作でおふたりが面白いと思うエピソード、印象的なエピソードを教えてください。

西野 大鶴肥満さんが演じた、相撲取りのエピソードですね。里香にとって沼倉マッサージ店での採用試験の話なんですけど、現場でも笑っちゃって面白かったです。おすすめです。

倉科 そうですね‥‥、私の演じた久田佳子は月刊「悪」という雑誌の編集員で、中村獅童さんの暴力団事務所に潜入するんですね。すると、自分が極道の妻を演じているような感覚になってくるんですよ。

ーーしかも、それっぽい衣装でしたもんね。

倉科 もう馴染みすぎちゃって(笑)。組員と歩くシーンもそうですけど、筒井真理子さんと2人で話すシーンも”極妻同士の対談”みたいで、”私、どんな役だったっけ?”と思いながら演じるのも、個人的に面白かったです。