Dec 21, 2016

インタビュー

『土竜の唄 香港狂騒曲』全身ヒョウ柄タトゥのヒットマン・クロケンをクール&ハードに演じる上地雄輔インタビュー!

 

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落ちこぼれ警察官・菊川玲二が犯罪組織に潜入して悪を追いつめていくというハチャメチャ痛快コミックを、三池崇史監督、宮藤官九郎脚本、生田斗真主演で映画化した『土竜の唄』。原作でも大人気の【チャイニーズマフィア編】がいよいよ12月23日(金・祝)に公開! さらにパワーアップしたハチャメチャさで、今回も玲二が大暴れする! 玲二の仲間でピンチを救う全身ヒョウ柄タトゥのヒットマン・クロケンをクール&ハードに演じる上地雄輔に話を聞いた。

 

続編ではメイク時間が半分以下になって快適だった

 

──2作目があると聞いた時は?

1作目が終わったときもスタッフ・キャストみんなで続編ができたらいいねっていう話をしていたからすごくやりたかったし、実際、そういう意気込みで撮っていたので嬉しかったです。でも、クロケンは全身がヒョウ柄で、特殊メイクも必要だったから、準備時間の長さとその大変さを思い出して、よし、覚悟して行くか!って気合いを入れ直しました(笑)。

──今回はスキンヘッドじゃないぶん、少しは準備時間も短くなったのかなと思います。

そうですね、だいぶ違いました。前作でも特殊メイクの方はなるべく負担がないようしてくださっていたんですけど、やっぱり多少は圧があったり、蒸れたりして、負荷がかかっていたんです。だから今回はだいぶ快適でした。ちなみに(特殊メイクは)1作目は最初は5人がかりで10時間くらい、最後の方は慣れてきて7時間くらい、さらにメイクを落とすのに3~4時間かかっていましたが、今回は2~3時間くらいでした。

 

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──でもあのヒョウ柄タトゥはクロケン!という雰囲気が出ていて、とてもかっこいいです。

たしかにあのメイクをするとクロケンの気持ちになっていきます。どの作品でもメイクや衣装は役作りに大切で、自分の気持ちをキャラクターにもっていくのにすごく役立ちますね。今回のクロケンはスキンヘッドはなくなりましたけど、メイク中に少しずつタトゥが増えていき、アイラインをした自分が鏡に映るのを見ると気持ちが昂ぶってきて、そのままのテンションを保ちながら毎日現場に行っていました。

 

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昔からお世話になってきた三池監督に恩を返したい

 

──『クローズ ZERO』シリーズなどでも組んでいますが、久々の三池組はいかがでしたか?

三池さんは、僕が(芸能活動の中で)ご飯をちゃんと食べられるか食べられないか、軌道に乗れるか乗れないかという頃からお世話になっている方なので、毎回、いい意味での緊張感があります。これまでやってきたことの全てを出さないといけないし、期待に応えたい、恩を返したい、少しでも作品を良くするために力になりたいという思いでいつも現場に挑んでいます。ただ、昔からお世話になっていていろいろ知っているつもりなので、ちょっとホッとするというか、帰ってきたみたいな落ち着く気持ちもある。キャストやスタッフを和ませてくれたり、芝居の面白さを感じさせてくれたりするのが三池さんならではなので、緊張と緩和のミックスですね。

 

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──今回の作品ではどんなところに芝居の面白さを感じましたか?

僕が若い頃から三池さんはずっと役者には自由に楽しくやらせてくれる監督なんですが、そのぶん、自分でキャラクターをしっかり把握していい芝居を現場に持っていかないと、底の浅さや作り込みの不十分さを見透かされてしまう感じがするんですよね。だから、現場に行く前に、ひとりでじっくりキャラクターを理解して作っていく作業をして、監督を現場で喜ばせたいと思う。その作業がすごく楽しいです。こうしたらこのシーンはもっと良くなるんじゃないかとか考えるとワクワクしてくるのが、三池組の特徴かも。他の監督の現場ももちろんそうですが、特に三池さんの現場は役を作っていくのが楽しいんですよ。現場で答え合わせをして、監督が笑ってくれたり、もっと自由にしていいですよとか、もっとこうしちゃったらどうですかとか言ってくれると、余計、爆発できる。三池さんは大勢のエキストラさんにもちゃんとお芝居をつけていくんですが、それが周りに伝染していくから、みんながプロとして緊張感をもってやっていけるというのもあると思います。

 

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──今回、クロケンに関して、自分から発信していった部分はあるんですか?

芝居部分ではあまりないですが、アクションに関してはあります。アクション・チームの方々は『クローズ ZERO』から10作品くらいずっと一緒にやってきているので、今回はどういうことやりたい?と聞いてきてくれるんです。なので、こういう技をやりたいという話をして、それを基に立ち回りを作っていってくれたので、楽しかったです。

 

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──普段からアクションを研究されているんでしょうか?

研究はしていないですけど、20歳前後くらいのとき、仕事もないから、アクションを習いに行ったことがありました。それに長い知り合いのアクション・チームの方々とは共同作業していくのもやりやすかったですね。

──上地さんが動けることをわかっているからこそ、作っていきやすいというのもあるのかもしれませんね。

受けてくれる方たちがすごくうまいから、できているように見えるだけです!(笑)

──アクションシーンで大変だったことは?

僕に限らずですけど、本当は本編の何倍もやっていて大変(笑)。完成作ではカットで割られているのでわかりませんが、アクションシーンは一連の長回しで撮っているんですよ。カメラのフレームに入るのが3~4人だったとしても、20人の乱闘シーンだったら、実際に20人と対決していくというやり方なので、ひとりめはこういう動きでかわして、ふたりめは左に避けてからキック…など動きを全部覚えないといけないのが最初は一苦労でした。ひとつでも間違えたりタイミングがズレたりしたら、全部やり直しなので。

 

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歳を取っても現在進行形で活躍できる俳優になっていたい

 

──シリーズを通して、印象に残っていることはありますか?

いろいろありますけど、まずひとつは共演者の方たちとご飯に行ったり飲みに行ったり仲良くなったこと。あと、僕、禁煙して3年くらい経つんですけど、役のうえで久しぶりにタバコを吸ったとき、ヤバい!と思いました(笑)。とはいえ、ニコチンのないタバコだったんですけど、また(喫煙するように)戻っちゃったらどうしようと思ってドキドキしました。結局大丈夫だったんですけど。あと、古田(新太)さんと堤(真一)さんとご一緒するシーンが何度かあって、一緒に飲みに行ったり、休憩中もそばにいることが多かったんですが、おふたりの関係が本当に素敵で、若かった頃のハチャメチャなエピソードから、売れていない時期の思い出まで、話を聞いているだけで楽しかったです。お互い、ほぼ同期で、お芝居を志してから30年くらい経つと思うんですけど、そこから年齢を重ねても一線で活躍されている姿を見て、刺激になりましたね。休憩中も本当に仲良さそうにおふたりが関西弁でしゃべっているんですよ。「あの時の舞台、こうやったやろ」とか、昔話が今も続いていて、またいつかこの『土竜の唄』の現場の話もするんだろうなって思ったんですよね。そういう現在進行形のおふたりを見て、自分も50歳を超えた時、そういう会話ができるように頑張ろうと思いました。

 

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──クロケンのシーンで特に気に入っているシーンは?

手りゅう弾を投げるシーン。三池さんに「キャッチャーのように投げてください」と言われて、「え、そんなクロケンの設定ないでしょ?」「本当にいいんですか?」って何度も確認したんですけど(笑)、三池さんも本気で。クロケンじゃなくて上地雄輔になっちゃいそうだと思いました。

──では最後に、おススメの本を教えてください。

次に読もうとしている作品なんですが、篠原勝之さんの児童文学『走れUMI』。「爽快だけど、ちょっと切ない」というような推薦文が帯に書かれていて気になって、買いました。自分でも生意気にも、以前、文章を書いたことがあったんですが、こういう物語が好きなんですよね。本を選ぶときは、パッと見て目に入ったものなど、直感でジャケ買いすることが多いです。

 

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取材・文/熊谷真由子
撮影/吉井明

 

 

プロフィール

 

profile

上地雄輔

1979年4月18日生まれ。神奈川県出身。99年、『L×I×V×E』(TBS系)にて俳優デビュー。ドラマ『逃亡弁護士』(10)、『マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜』(15)、映画『のぼうの城』(12)、『バンクーバーの朝日』(14)など出演作多数。他、バラエティ番組や音楽活動など、ジャンルを問わず幅広く活躍している。2017年1月に『新宿スワンⅡ』が公開待機中。高校時代は野球の名門・横浜高校で、現ソフトバンク・ホークスの松坂大輔の“女房役”としてキャッチャーを務めた。

 

作品情報

 

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『土竜の唄 香港狂騒曲』

■映画レビュー
前作のハチャメチャには度肝を抜かされたけれど、それ以上にハチャメチャに胸躍る! 生田斗真、2作目でも思う存分、脱いで暴れて振り切れてくれています。前作とリンクしたネタも散りばめられていてニヤリの連続(もちろん前作を観ていなくても十分面白い)で、改めて宮藤官九郎脚本×三池崇史監督の相性の良さを実感。さらに堤真一、上地雄輔、仲里依紗、岩城滉一ら引き続きのメンバーの他、瑛太、古田新太、菜々緒、本田翼といった新キャラたちも『土竜』ワールドにピタリとハマっていて、話を盛り上げる。特に『グラスホッパー』以来の生田×菜々緒、多くの舞台で共演して公私共に仲のいい堤×古田の対決は見もの。豪華な作品だ。


■作品データ
監督:三池崇史
原作:高橋のぼる「土竜の唄」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
出演:生田斗真 瑛太 本田 翼 古田新太 菜々緒 上地雄輔 仲里依紗 堤真一
吹越 満 遠藤憲一 皆川猿時 岩城滉一
脚本:宮藤官九郎
音楽:遠藤浩二
主題歌:『NOROSHI』関ジャニ∞(インフィニティ・レコーズ)
配給:東宝

12/23(金・祝)より全国ロードショー
©2016 フジテレビジョン 小学館 ジェイ・ストーム 東宝 OLM ©高橋のぼる・小学館

『土竜の唄 香港狂騒曲』公式サイト

 

 

原作本紹介

 

『土竜の唄』高橋のぼる/小学館
2005年より週刊ヤングサンデー(小学館)より連載開始され、2008年からはビッグコミックスピリッツ(小学館)に移動し、現在も連載中。単行本は51巻まで刊行。元交番勤務の落ちこぼれ警官・玲二がモグラ(潜入捜査官)として犯罪組織・数寄矢会に潜入。会長・轟周宝を逮捕するため、奮闘する。数々の試練とピンチを乗り越え、順調(?)に出世中。

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上地雄輔さんが読みたい本

 

『走れUMI』 篠原 勝之 /講談社文庫
1980年代はタレントとしても活躍した作家で芸術家の篠原勝之氏の小学館児童出版文化賞受賞作。母親の実家があるミカン栽培のさかんな山あいの町に引っ越してきた主人公の少年が、夏休みにマウンテンバイクUMIに乗って、生まれ故郷の小さな港町を目指す。父親と祖父、後ろ脚を失った犬のコロに会いに行くために――。少年特有のヴィヴィッドな心情が綴られ、大人でも子どもでも読みごたえのある感動作。

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