『スピード』(94)、『マトリックス』(99/03)など、アクション映画の革新作で主演を担ってきたキアヌ・リーブス。そんな彼の新たな当たり役となったのが、孤高の殺し屋を演じた『ジョン・ウィック』(14)だ。その続編『ジョン・ウィック:チャプター2』(17)の日本公開に合わせてキアヌが来日。50歳を超えた現在もアクションをこなす喜びや、日本への愛を語ってくれた。本人も大好きなジョン・ウィック役ということで、キアヌの語り口も熱く、ハイテンションなインタビューとなった。
少年時代のキアヌが憧れた、サニー千葉、世界のミフネ
──待望の『ジョン・ウィック』の続編が完成したわけですが、あなた自身、この作品に惚れ込んでいるわけですよね。
そうなんだよ。ジョン・ウィックというキャラクターはもちろんだけど、作品の世界観に魅了されているんだ。日常の生活があり、その陰にアンダーワールドとも呼べる殺し屋の世界が存在する。この『チャプター2』には、前作に出てきた“コンチネンタル”という組織だけでなく、国際的な“主席連合(ハイ・テーブル)”の世界も描かれる。もともと僕は、フランク・ミラーなどのグラフィック・ノベルを読んで育ち、大人になってからアニメに夢中になったりしたので、現実を誇張した世界が大好きなのさ。
──キャリアを通しても、ジョン・ウィックは新たな当たり役になりました。
根本的に僕はアクション映画が好きで、これまで観たことのないタイプの役に惹かれる。そういう意味で、ジョン・ウィックは僕にぴったりなので、演じていて楽しいんだ。一度こうと決めたら信念を曲げないし、仁義も大切にする。そして少しだけユーモアもある。魅力的な役だよ。
──アクション映画が好きになったのは、少年時代に日本のスターに憧れたのが一因だと聞いていますが……。
サニー千葉(千葉真一)のことだね。僕らアクション俳優は、誰でも彼を尊敬しているんじゃないかな。アクションスターで主役という、ひとつの“基本”を作った人だよ。そういう意味では三船(敏郎)さんも挙げなくちゃね。60~70年代のハードボイルド映画の男たちは、何が起こっても意思を貫き通し、少しだけ熱いハートがある。そこが大きな魅力だよ。そんなハードボイルドの精神は、今回の『チャプター2』を監督したチャド(・スタエルスキ)も影響されていると思う。