Dec 19, 2025 interview

荒井晴彦 監督 & 咲耶が語る 妥協なしに作り上げた「昭和」の匂いが香る『星と月は天の穴』

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妥協なしに作り上げた「昭和」の匂い

池ノ辺 監督は何もしていないとおっしゃいますけど、映像や演出はもちろん、脚本も素晴らしかったです。監督にはファンも多いですから、そんなに不安がらなくても大丈夫ですね (笑)。

荒井 咲耶にも言われたけど、エロジジイと思われているんじゃないかな (笑)。

池ノ辺 まあそれは、そうかもしれないですけどね(笑)。

荒井 ただ、今、こういう映画はないと思うから。

池ノ辺 観ていて、全てのものにすごく昭和の匂いを感じました。そうそう、こうだったと。そこは、ワンカットワンカット妥協なしにこだわっていて、これくらいでいいやという感じが全くしませんでした。

荒井 だって俺は平成とか令和って知らないもの。時間が止まっている。

咲耶 まだ昭和を生きてるんですよね (笑)。学生運動に取り残されている。

池ノ辺 演出上で特に気にしていたところはあるんですか。話し方とか。

荒井 それは彼女が自分で考えてきたみたいよ。

咲耶 60年代の映画やドキュメンタリーなどを見て、当時の女性の喋り方などを勉強しました。一番参考にしたのが、1964年の増村保造監督の『卍』という作品の若尾文子さんです。

荒井 若尾文子とは気づかなかったな (笑) 。

咲耶 レオナさんは気づいてました (笑) 。