Sep 29, 2025 interview

小川育 監督が語る ストップモーション最新作の舞台裏 Netflixシリーズ「ポケモンコンシェルジュ」

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ストップモーション・アニメーションの 沼” に落ちて

池ノ辺 監督は学生時代からストップモーション・アニメを始められたんですよね。

小川 正確には大学院生の時からですね。

池ノ辺 なぜやってみようと思ったんですか。

小川 大学で、手描きの2Dのアニメーションをちょっと作ってみたんですけど、その時にはアニメを仕事にすることはあまり考えていなくて、卒業してからアルバイトしながら就職もせずに過ごしていたんです。当時、自分ではあまりアニメーションがうまくできないなと思っていて、でもしばらく経つと、もう一回やってみようかなと思う、そんなことが何回かありました。一方で、それとは関係なく全くの趣味で謎の生き物のフィギュアのようなものを作っていたんです。最初はそれを動かすということは考えていなかったんですけど、うまくできないと思っていたアニメーションと、趣味で作った人形を組み合わせてストップモーション・アニメを作ってみたら面白いかなということで始めたんです。

池ノ辺 それが今や、世界に配信されているわけですが、監督にとってストップモーション・アニメって何ですか。

小川 ついやっちゃう、“沼” みたいなものでしょうか。

池ノ辺 次も沼に入る予定ですか。

小川 そうですね。やればやるほど面白いというか、「次はこういうのをやってみたら面白いかな」、みたいなことを思いついたりするので、チャンスがあればまたやりたいですね。

池ノ辺 では近いうちに次の作品でお会いできますね。

インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵

プロフィール
小川 育 (おがわ いく)

監督

1988年東京生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。大学院在学中にこま撮りアニメーション制作を始める。2016年よりドワーフスタジオ在籍。 主な監督作品は、Netflix シリーズ「ポケモンコンシェルジュ」(アニー賞TV/メディア部門監督賞ノミネート)、同「リラックマと遊園地」ep2&5、NHKプチプチ・アニメ「空き缶のツナ」、共同監督として、ストップモーション・アクション時代劇「HIDARI」など。

作品情報
Netflixシリーズ「ポケモンコンシェルジュ」新エピソード(5~8 話 全4話)

ポケモンたちがお客さまとして訪れる南の島”ポケモンリゾート”を舞台に、新米コンシェルジュのハルが、先輩スタッフとともにポケモンのお世話に奔走しながら、やがて本当の自分らしさに気づいていく物語。

監督:小川育

制作:ドワーフスタジオ(株式会社 FIELD MANAGEMENTEXPAND)

声の出演:のん、ファイルーズあい、奥野瑛太、竹村叔子、町田啓太、山路和弘

©2025 Pokémon. ©1995-2025 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

Netflixにて独占配信中

公式サイト pokemonconcierge

池ノ辺直子

映像ディレクター。株式会社バカ・ザ・バッカ代表取締役社長
これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』『マディソン郡の橋』『トップガン』『羊たちの沈黙』『博士と彼女のセオリー』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ノマドランド』『哀れなるものたち』『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ほか1100本以上。最新作は『レンタルファミリー』
著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 WOWOWプラス審議委員、 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」も運営もしている。
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