Sep 29, 2025 interview

小川育 監督が語る ストップモーション最新作の舞台裏 Netflixシリーズ「ポケモンコンシェルジュ」

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人形制作、声優、アニメーター‥‥、彼らがキャラクターに生命を吹き込む

池ノ辺 本作では、主人公のハルの声をのんさんが担当しています。すごく良かったです。これは最初から決めていたんですか。

小川 かなり早い段階で第一候補になって、自分が入った時にはすでに決まっていたと思います。

池ノ辺 一緒にやってみてどうでした?

小川 すごく面白かったですね。収録の方法としては、プレスコ、つまり声を先に録音させてもらって、そこにアニメをつけるという方法で進めています。ですから、のんさんにも先にセリフを入れてもらって、同時に録音ブースに取り付けた小型カメラで、口の動き、顔の表情、あるいは体の動きなどもビデオに撮らせてもらっているんです。アニメーターはこれを見て、口の動きや顔の表情はもちろん、ちょっとした首の動きなどもよく見て参考にしていくんです。そうすると当たり前ですが、キャラクターがどんどんのんさんになっていくんですよね。

池ノ辺 本当に命が吹き込まれる感じなんですね。

小川 そうなんです。ハルだけじゃなく、他の人間のキャラクターも、そういうふうに収録させてもらっています。最初にキャラクターの人形の制作があり、声優さんたちの演技があり、アニメーターたちがこれを動かしていく。複数の人の手による段階を経て合体し、一つのキャラクターが生き生きと出来上がっていく、そんな感覚を持っています。

池ノ辺 山下達郎さんの主題歌も素敵でしたね。前半のエピソードでは竹内まりやさんが主題歌を担当してすごく好評でしたから、今度は僕が、となったのでしょうか(笑)。

小川 どうでしょう。そうなのかなあ(笑)。最初にデモが送られてきて聴いた時には、「こういう感じで来るんだ」と結構意外な感じがしました。

池ノ辺 ピッタリというよりは意外だったんですね。

小川 というより、正直に言えば、どういう楽曲になるのか予想すら全くしていなかったんです。でもオノマトペというモチーフはすごく面白いと思いました。