『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から5年。かつて世界中に放たれた恐竜たちは、気候や環境に耐えられず数を減らし、今は赤道直下の限られた地域にだけ生息していた。秘密工作の専門家ゾーラ・ベネットは、製薬会社の代表マーティン・クレブスから、ある危険な任務を引き受ける。それは、人類を救う新薬を開発するため、陸・海・空の3大恐竜のDNAを採取するというものだった。任務遂行のために集められたチーム一行は、かつてジュラシック・パークの極秘研究が行われていた“禁断の島”へとたどり着き、長年隠されてきた衝撃的な秘密と直面する──。
1993年、スティーヴン・スピルバーグの手によって産声を上げ、リアルでスリリングな恐竜たちの躍動で世界中を大興奮の渦に巻き込んだ『ジュラシック・パーク』。その衝撃は『ジュラシック・ワールド』へと受け継がれ、映画史に燦然と輝く金字塔を打ち立てた。
今回、新たな冒険を率いるのは、シリーズ初の女性主人公となる、アクション界の至宝スカーレット・ヨハンソン。さらにマハーシャラ・アリと、ジョナサン・ベイリーという、最強チームが誕生した。監督は鬼才ギャレス・エドワーズ、そして脚本は『ジュラシック・パーク』『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997) で伝説を不動のものとしたデヴィッド・コープが、実に28年ぶりのカムバックを果たす。
予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表の池ノ辺直子が映画大好きな業界の人たちと語り合う『映画は愛よ!』、今回は、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のギャレス・エドワーズ監督と脚本のデヴィッド・コープ氏に、本作や映画への思いなどを伺いました。

30年前から完璧な“恐竜” に見合うリアルな環境での撮影
池ノ辺 監督は、8回目の来日だそうですが、日本に関しての印象はいかがですか。
エドワーズ 僕が子どもの頃、未来ってこんな感じじゃないかなと思い描いていたのが、まさに日本の姿なんです。例えば、iPhoneって、僕からみるとデザインが退屈で、個性が感じられない。でも日本で作られたソニーのウォークマンは違った。デザインに個性があって素晴らしいと思ったんです。そこに何か未来を感じたんですよね。

池ノ辺 ありがとうございます。コープさんは初めての来日ですよね、日本の印象はいかがですか?
コープ 素敵なところですよね。特に、初めての場所を訪れると、新鮮でいろんなことが目に入ってきます。昨夜はあるフードコートに行ったんですが、果物があまりにも美しく並べられていて、15分くらい立ち止まって見入ってしまいました (笑) 。紙一枚とっても、高品質でデザインも考えられていて、美的感覚が本当に大切にされている国だと思いました。
池ノ辺 褒めていただけて嬉しいです。さて、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』がいよいよ日本で公開されますが、撮影はタイで行われたと聞いたのですが。
エドワーズ はい、そうです。とにかくスケジュールがかなりきつかったのと日程が決まっていたので、まずそこが大変でした。タイはちょうど雨季で、撮影初日は浜辺での撮影だったのですが、10時間しか撮影の時間がないのに、そのうちの6時間は雨が降っていたんです。しかもその6時間の間に5分くらい雨が上がる。そのわずかな時間も撮影したいので、どこかで雨宿りというわけにもいかない。俳優たちも僕たちスタッフも、みんなずぶ濡れになってその場で待つしかなかったんです。1日が終わる頃にはみんな疲れ切って、これは場所の選択を間違えたなあと思って落ち込みました。
