これからもっと映画を作っていきたい
池ノ辺 監督はドラマのお仕事を長くされていますが、作品を作り続けていくと、先ほどの今田美桜さんのお話のように、若い役者さんたちの成長していく姿を見られる機会もさらに増えていくと思います。監督冥利に尽きますね。
村尾 本当にそうです。再会するのは本当に楽しみ。彼らだけじゃなくこちらも成長していると思いますし、お互いに成長している姿で再会してまた仕事が一緒にできるというのは、本当に、いい仕事だなと思います。
池ノ辺 その姿を、またファンの皆さんにも届けられるわけですから、素晴らしいです。さて、最後の質問です。監督にとって、映画とはなんでしょうか。
村尾 今回、初めて映画監督をさせていただいて、しかも僕は映画オタクでも映画通でもない。だから僕が映画を語るようなものではないと思ったんですが、あえて言うとしたら、「これから知りたいもの。これから追求していきたいと思い始めたもの」でしょうか。
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池ノ辺 それは、これからもどんどん映画を作っていきたいということですか。
村尾 はい。今回映画を作って、それがスクリーンで流れるのを観て、やっぱりドラマとは違うものを感じました。制作過程でも、丁寧にやっていけることが多いし、何より、大きなスクリーンでお客さんに観てもらえて、その反応を僕らが直に目撃できる。それはすごく魅力的だと思って、これからも映画を撮っていきたいと強く思いました。
池ノ辺 ドラマがどんどん映画化されていけばいいんですよね。もちろんそのためにはドラマも映画もヒットさせないといけないでしょうけれど。
村尾 ぜひそうなるように、と思ってます。
池ノ辺 今後、作りたい映画はどのようなものでしょう。
村尾 今のところまだ発表できるようなものはないんですが、僕の好みとしては少し変な、普通じゃないドラマとか映画とか、そういうものに惹かれるんです。
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池ノ辺 例えばどんなものですか。
村尾 これは他局のドラマですが、「無能の鷹」(2024) のような、ちょっとズレた感じの作品が好みなんです。あとは、今回のようなエンタメ作品とは真逆になりますが、じっくりと役者さんのお芝居を見せるようなものも大好きなので、そういうものも撮れたらいいなと思います。
池ノ辺 どんな作品になるのか、次も期待しています。
インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
撮影 / 岡本英理
監督
1982年生まれ。大阪府出身。テレビドラマ「トリリオンゲーム」(23年)のチーフ監督を務める。これまでの主な演出作品に、テレビドラマ「アンナチュラル」(18年)、「死にたい夜にかぎって」(20年)、「最愛」(21年)などがあり、Netflixドラマ「忍びの家 House of Ninjas」では「原案と演出」を務めている。映画は初監督。
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世界一のワガママ男・ハルと、気弱なパソコンオタクのガク。ハッタリと予測不能な作戦で成り上がってきた2人が「1兆ドル稼いでこの世の全てを手に入れる」ために再び動き出す。2016年にIR整備推進法案、通称「カジノ法案」が成立。莫大な利益を生む夢とロマンを秘めた新事業に目を付けたハルは未だ誰も成しえていない「日本初のカジノリゾート」開発に挑む。 果たして、ハルとガクは日本を揺るがす巨額マネーゲームを制し、1兆ドルを手に入れることができるのか。
監督:村尾嘉昭
原作:稲垣理一郎/作画:池上遼一 「トリリオンゲーム」(小学館 ビッグコミックスペリオール 連載)
出演:目黒蓮、佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、鈴木浩介、竹財輝之助、あかせあかり、原嘉孝、津田健次郎、シシド・カフカ、田辺誠一、石橋凌、吉川晃司、國村隼
配給:東宝
©2025劇場版『トリリオンゲーム』製作委員会 ©稲垣理一郎・池上遼一/小学館
公開中
公式サイト trilliongame-movie