映画とはストーリーであり感情。アニメはそれをより効果的に描く
池ノ辺 これまでお二人は、ピクサーのアニメーション映画の制作に関わってこられたわけですが、お二人にとって、映画とはなんですか。
ニールセン ストーリー、最も純粋な形のストーリーですね。
池ノ辺 なぜそれを、ずっと映画として作り続けているんでしょうか。
ニールセン ストーリーがたくさんあるからです。人間として共感できる、あるいは自分が「本当にそうだ」と思えるストーリーがたくさんあるから。特にピクサーという会社は、そのストーリーテリングが非常にうまい人たちがたくさん集まっているんです。そして映画というのは、ストーリーを伝えるのに非常にパワフルなメディアだと私は思っています。その中でも特にアニメーションは、実際にはあり得ないようなものを想像することができるという点ですごく効果的だと思います。
マン そう、例えばこの映画のように、13歳の女の子の頭の中を描くこともできるわけですからね(笑)。
池ノ辺 では、監督にとっての映画はなんですか。
マン 感情です。そしてそれは愛ということもできると思います。僕が映画を作り続けるのは、観る人の感情を呼び起こしたいという気持ちがあります。自分自身が映画を観ている時も、何かを感じたい。逆に観て何も感じないとしたらそれはすごく退屈で最悪な映画ですけど(笑)。作り手としては、観る人のいろんな感情を呼び起こしたいんです。それは共感であったり恐れであったり、あるいは喜びであったり、さまざまでいいんです。観客の気持ちをコントロールしたいんですね、もちろんいい意味でね(笑)。
池ノ辺 映画を作る上で、一番大事にしている感情はなんでしょうか。
マン 喜びですね。今回は特に、楽しい映画を作りたかったんです。
インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
撮影 / 岡本英理
監督・ストーリー
ノーザン・ミシガン大学で学び、コマーシャル・スタジオでアニメーションのキャリアを始める。その後、カートゥーン・ネットワーク、ワーナー・ブラザース、ルーカスフィルム・アニメーションなどの会社でアニメーション、絵コンテ、演出などを手がけ、2009年にピクサー・アニメーション・スタジオに入社した。 『モンスターズ・ユニバーシティ』ではストーリー・スーパーバイザーを務め、『トイ・ストーリー3』にも参加。『モンスターズ・ユニバーシティ』の短編『モンスターズ・パーティ』では監督を担当。『アーロと少年』と『2分の1の魔法』ストーリー・スーパーバイザーを務めた。
プロデューサー
チコ州立大学でジャーナリズムを学んだ後、映画制作アシスタントとしてキャリアを積む。1996年にピクサー・アニメーション・スタジオに入社。モデリング、ライティングなどのスタッフとして『バグズ・ライフ』『トイ・ストーリー2』『モンスターズ・インク』『カーズ』に参加。 短編映画『メーターと恐怖の火の玉』でプロデューサーを務めるようになり、『カーズ2』『インサイド・ヘッド』でアソシエイト・プロデューサーを、『トイ・ストーリー4』ではプロデューサーを担当。ディズニー・プラスの短編シリーズ「フォーキーのコレって何?」のプロデュースも手がけている。
思春期を迎えちょっぴり大人になった主人公・ライリー。転校した学校にも慣れ、ライリーの頭の中の感情たちヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリは、ライリーが幸せに暮らせるように奮闘する毎日を送っていた。しかしある時、突然大きな“謎の警報”が頭の中に鳴り響く。感情たちが暮らす司令部が壊されてしまうが、そこでに新たにオレンジ色の感情「シンパイ」が現れて‥‥。
監督:ケルシー・マン
プロデューサー:マーク・ニールセン
日本語版声優:大竹しのぶ, 多部未華子, 小清水亜美, 小松由佳 落合弘治,浦山迅、横溝菜帆, 村上(マヂカルラブリー),小清水亜美、小松由佳、落合弘治、浦山迅、花澤香菜、坂本真綾、武内駿輔、花江夏樹、中村悠一
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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公開中
公式サイト disney.co.jp/movie/insidehead2