少女ライリーを生まれた時から見守ってきた頭の中の存在、“ヨロコビ”や“カナシミ”たち。やがて高校入学という人生の転機を迎えたライリーの中には、親友との関係の変化や将来への不安から、“シンパイ”率いる〈大人の感情〉たちが現れる。「ライリーの将来のために、あなたたちはもう必要ない」ーー“シンパイ”たちの暴走により“ヨロコビ”たちは頭の中の司令部から追放されてしまう。巻き起こる “感情の嵐” の中で、自分らしさを失っていくライリー。果たして“ヨロコビ”たちは、ライリーの心を救い、ライリーに自分らしさを取り戻すことができるのかーー。
「“カナシミ”は必要なの?」という深いメッセージで世界中から共感を得たディズニー&ピクサーの長編アニメーション『インサイド・ヘッド』(2015) 。この度公開される『インサイド・ヘッド2』は、その続編であり、ちょっぴり大人になったライリーの、より複雑化した心のうちを鮮やかに描く。
予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表の池ノ辺直子が映画大好きな業界の人たちと語り合う『映画は愛よ!』、今回は、『インサイド・ヘッド2』のケルシー・マン監督とプロデューサー:マーク・ニールセンに、本作品や映画への思いなどを伺いました。
普遍的に人々の心に訴えかける映画を作りたい
池ノ辺 とても素晴らしい映画でした。世界中で大ヒットしてますね。これは想定内ですか。それとも驚いてます?
ニールセン 予想外でした。でもこの結果をすごく誇りに思っています。私たちはこの映画を4年かけて作ってきました。ピクサーという会社の中でね。ずっと社内での作業で観客も自分たちだけでしたから、実際世の中に出したらどんな反応が得られるのか、全くわからなかったんです。とはいえ、私たちが普遍的に人々の心に訴えかける映画を作りたい、そう思ってやってきたものに対し、皆さんが非常に共感し、また楽しんで観てくださっているということは本当に嬉しいことです。でもここまでの成功は、正直予想していませんでした(笑)。
池ノ辺 初日から多くの方が観に来られているということは、それだけ皆さんの期待度が高かったということですね。
マン 1作目がとても愛されたので、2作目も楽しみにしてくださっていたんでしょうね。たぶん、僕たちが思っている以上に、この映画を皆さんが愛し、続編を待っていてくださったということだと思います。さらにいえば、成長したライリーのお話というのが、皆さんの心に触れたのかなと思っています。