偉人内閣と現代をつなぐ存在
池ノ辺 新人記者の西村理沙役の浜辺美波さんは、現代の、しかも生きている存在という設定でした。過去の偉人たちとどう絡み合っていくのかについて、監督はどう伝えたんですか。
武内 美波ちゃんの役柄は、現代の最も一般的な、いわば国民代表みたいな存在です。最初は歴史にもあまり興味がなくて政治にも選挙にもそんなに興味がない。そういう20代前半の女の子が、偉人たちと触れ合うことによってどんどん意識が変わっていくわけです。そこから見ると、これは一つの成長物語であるともいえます。だからこそ、彼女はスタートのごく普通の女の子をうまく表現していたし、偉人たちに触れ、その思いとか意志に触れ、どんどん凛々しくなっていく。そのあたりの表現もうまくいったと思います。
池ノ辺 確かに、話が進むにつれ顔つきがどんどん変わっていきましたよね。最後はすごく素敵な女性になって立っていた。あれはグッときました。それと、すごく心に響いたのは、「トップに立つものの仕事は決めること。任せること、そして責任を取ること」という秀吉の言葉です。ちょっと泣けちゃいました。
武内 あれは痛快でしたよね。僕も原作を読んだときにすごく感銘を受けたし、そういうトップが現れてほしいとあの瞬間みんなが思うんじゃないですか。でもあれって映画が始まって5分くらい?泣くには早いですね(笑)。
池ノ辺 一応私も経営者ですから、上に立つものがそうじゃなくてどうするんだと(笑)。ほかの経営者の方たちとの集まりでもその話をして、この映画をぜひ観てくれと宣伝しておきました。華やかでグッときて、面白くて痛快な映画だと。
武内 ありがとうございます。