Aug 15, 2023 interview

プロデューサー・松橋真三が語る “紫夏の物語”であり“魂の物語”である『キングダム 運命の炎』

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映画の命を繋ぐために「人として尊敬できる人」と組む

池ノ辺 『キングダム』シリーズは、キャスティングもいいですよね。原作のイメージ通りです。松橋さんは、キャスティングではどういったことを大事にしているんですか。

松橋 もちろん、演技が良いかどうか、役に合っているかどうか、ということが一番なのですが、私が同じくらい大事にしているのは、その人が良い人かどうかです。

池ノ辺 良い人ですか。出演している人達はみんな、いい人なんですね!

松橋 人間として良い人かどうかというのはすごく大事にしています。というのは、私は映画を作るときには「絶対当てて、絶対シリーズ化するんだ!」という意気込みで臨んでいます。

そうすると長いお付き合いになるわけですから、お互いに人間として尊重し合い、話し合えて、尊敬できる人と組みたいと思っているんです。結果的に、作品でご一緒した役者さんたちと信頼関係ができて、シリーズだけじゃなく他の作品も、と、その絆が続いていく、今までそういう風になっています。

池ノ辺 そうやって何年も一緒にやっていくと、役者さんの方も、次の作品にも出演したい、力になりたいと思って、それがまた、映画を支える力にもなっているんでしょうね。

松橋 たとえば羌瘣(きょうかい)役の清野菜名さんをキャスティングする時も、こちらから直接会いにいきました。

清野さんからもやれるものならぜひやりたいという話は聞いていたんです。それで私たちが会いに行くというので、清野さんとしては本読みとか芝居とか、そういうのを見たいんだろうと考えていたみたいです。

でも、こちらはそんなことを求めていたわけではないんです。清野さんの演技は全く問題ないというのはわかっていましたからね。それで、今みたいな話をしました。こういう大きな作品で、これからも続けたいと思っているので、清野さんが良い人じゃないとそれができないんですと。そこからスタートしました。

池ノ辺 今回も素晴らしい演技を見せてくれた主演の山﨑賢人さん、吉沢亮さんも、良い人から始まったんですね。

松橋 もちろんそうです。

池ノ辺 この2人は、さらにすごい役者になるぞ、という感覚もあったんですか。

松橋 もちろんです。

池ノ辺 最初に会ったときから?

松橋 そうです。ピーンと私のセンサーが反応しました(笑)。

池ノ辺 確かに、回を重ねるごとにますますいい役者さんになっている気がします。