キャラクターには嘘をつかせたくない
池ノ辺 田島先生が、マンガを描くときに一番大切にしていることは何ですか。
田島 キャラクターの行動や気持ちに嘘をつかせないということですね。自分が思い描いているストーリーがこうだからといって、キャラクターに無理やりそこに沿うようには動かしたくない。もちろん、この方が物語としては受けるだろうとか、全く考えないわけではないんですが、それも一応考えた上で、それでもキャラクターにはあくまで自然な方向に、嘘のない形で動いていってほしい、そう思っています。
池ノ辺 今ちょっとわかったような気がしました。先生の言葉が心に響くのは、そこに嘘がないからなんですね。ちなみに、次回作の構想はすでにあるんですか。
田島 次はもう描いていて、今回の映画の公開前に「みちかとまり」というタイトルの1巻が出る予定です。
池ノ辺 次も映画化ですか。
田島 どうでしょう(笑)。これはちょっと不思議な世界のお話なので、映画化するにしても、どちらかというと実写よりアニメの感じかもしれません。
池ノ辺 それは楽しみですね。では私も引き続きお祭りに参加させていただきます。
インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
写真 / 岡本英理
漫画家
2008年前期MANGA OPENにてさだやす圭賞を受賞。デビュー作「子供はわかってあげない」(上下巻)、第2作「水は海に向かって流れる」(全3巻)が各漫画賞に次々とランクインし話題を呼ぶ。「子供はわかってあげない」は2021年に実写映画化もされた。現在「モーニング・ツー」(講談社)にて「みちかとまり」を連載中(既刊1巻)。
出演:広瀬すず、大西利空、高良健吾、戸塚純貴、當真あみ、勝村政信、北村有起哉、坂井真紀、生瀬勝久