Dec 24, 2022 interview

佐藤信介監督が語る 事前情報ゼロでも楽しめるように取り組んだ「今際の国のアリス」シーズン2

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リアルタイムで世界中から反応がくる配信ドラマの面白さ

池ノ辺 シーズン1の配信後の手応えはどうだったんですか。

佐藤 今は映画でも、ネットなどで観た人の感想を手軽に知ることができるんですが、配信の場合、リアルタイムで世界中からコメントが来るんです。そのコメントの量もすごいんですけど、見ているといろんな言語で秒単位でどんどんコメントがあがってくるんですよ。地球規模の配信というのを改めて実感しました。

また、ここが良かったとかここが好きというのも、本当にいろいろあって、そこに驚くのかとか、そこまで入り込むのかとか、それを読むのも楽しかったですね。そのうちにキャラクターに対する愛情を綴ったコメントが増えてきて、そのお気に入りのキャラクターへの愛情を、イラストや映像のコラージュで表現してくれる人がいたりして(笑)。

池ノ辺 それは楽しいですね(笑)。

佐藤 ストーリー自体はデスゲームもので、僕としてはサスペンサブルな作品を作っていると思っていて、もちろんそのストーリーに惹かれたという人たちからのコメントが最初は多かったんですが、そのうちに、キャラクターに愛情を注ぐ人たちが増えてきて、それは僕もちょっと予想しなかったことだったので面白かったですね。確かに日本のアニメなどでお気に入りのキャラクターというのはありますけど、実写のドラマにもそういう反応があるんだと驚きました。

池ノ辺 そういう反応は、俳優の皆さんにも影響があったんでしょうか?シーズン1からシーズン2で、変化したことはありますか。

佐藤 シーズン1の撮影の時は、脚本を読んだだけでは役者の皆さんも、ビジュアルまではわかりませんから、手探りのところもいろいろあったと思いますけど、完成したものを観て、皆、驚きを持ってその世界を体感してくれたんです。

さらに作品に対する世界中からの愛情のこもったコメントがあって、という上での再集結でしたから、皆がそれぞれ、自分はここはこういうふうにやりたいというのが、さらに明確になっていたように思います。特に山﨑賢人さんとはその前の作品でご一緒してたので、いろいろ話ができて、「今度はこういう感じでやろう」と事前に深めることができました。