Jul 29, 2022 interview

松本穂香が語る 姉として、弟を見守る側の立ち位置で演じた『今夜、世界からこの恋が消えても』

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やっぱり映画が好き

池ノ辺 そもそも、なぜ役者になりたいと思ったんですか。

松本 高校で演劇部に入っていましたから、漠然となりたいと思っていました。自分の性格には、飽きっぽいところがあって、同じことを続けていくというのはなかなか大変なのですが、そんな中でも演劇部は、唯一3年間ちゃんと続けられたことだったので、続けられるということはやっぱり好きなのかなと思いました。

池ノ辺 確かに、出演する作品ごとに、全く違う人の人生を演じるわけですから、飽きないですよね。今回は作家さんの役ですが、ご自分で何か書くことってあるんですか。

松本 小説はないですけど、コラムを書かせていただく機会はあります。書くことは好きですし、大事なことだと思います。

池ノ辺 次は脚本も書いたりとかは‥‥(笑)。

松本 それはどうですかね(笑)。

池ノ辺 普段はどんな生活されてるんですか。

松本 めちゃめちゃ普通ですよ。ほんとに普通の25歳の女性です。

池ノ辺 映画はどんなジャンルが好きですか。

松本 ホラー映画が好きなんです。

池ノ辺 そうなんですね。じゃあ次はホラー映画に出演かしら。ホラー映画のどこが好きなんですか。

松本 頭を空にして観られるところが好きなんです。他のジャンルだとここは緊張するなというシーンとか、職業柄、一緒になって緊張したりするので。その点ホラーだと、何にも考えずに観られて、娯楽として映画を一番楽しめるジャンルです。

今しかない瞬間の尊さを観てほしい

池ノ辺 では、最後に、今回の作品、『今夜、世界からこの恋が消えても』は、どんな風に観てもらいたいですか。

松本 生きていく中での瞬間瞬間の尊さみたいなものが溢れている映画だと思うので、まずは、いろんな方に観ていただきたいです。この映画は、19歳(撮影時)の道枝さんと21歳の福本莉子さん、今のあの透明感あふれるふたりだからこそできたものでもあると思います。そこもぜひ観てほしいと思います。

池ノ辺 そのコメントも、お姉さんからのまなざしですね(笑)。これからもいろんな演技を見せてください。次の作品も楽しみにしています。

松本 ありがとうございます。これからも精進します(笑)。

インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
写真 / 吉田周平

ヘアメイク / 尾曲いずみ

プロフィール
松本 穂香(まつもと ほのか)

1997年2月5日生まれ、大阪府出身。高校時代に演劇部に所属。 2015年に主演短編映画「MY NAME」で女優デビュー。 2017年に連続テレビ小説「ひよっこ」の青天目澄子役で注目される。ドラマ「この世界の片隅に」(TBS/2018)で応募者約3,000人のオーディションを経て主人公のすず役に抜擢、連続ドラマ初主演を果たす。三木孝浩監督『青空エール』(2016)、月川翔監督『君は月夜に光り輝く』(2019)の出演のほか、角川春樹監督『みをつくし料理帖』や、ふくだももこ監督『おいしい家族』などの主演映画も多数。Netflix映画『桜のような僕の恋人』が配信中。ドラマ・映画・舞台の他にもコント番組やラジオなど幅広く活躍している。

書籍情報
映画『今夜、世界からこの恋が消えても』

クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い絶対に本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れた。そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ‥‥僕は知る。「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」彼女はその日の出来事を日記に記録して、朝目覚めたときに復習することで何とか記憶をつなぎとめていた。その日ごとに記憶を失ってしまい、明日が来ることを恐れながら生きる彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかし僕には真織に伝えていないことがひとつだけある。だから、真織の幸せを守るために、僕は“ある作戦”を立てた。

監督:三木孝浩

原作:一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)

出演:道枝駿佑(なにわ男子)、福本莉子、古川琴音 / 前田航基、西垣匠、松本穂香、野間口徹、野波麻帆、水野真紀 / 萩原聖人

配給:東宝

©2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会

公開中

公式サイト sekakoi-movie.toho.co.jp

池ノ辺直子

映像ディレクター。株式会社バカ・ザ・バッカ代表取締役社長
これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』『マディソン郡の橋』『トップガン』『羊たちの沈黙』『博士と彼女のセオリー』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ノマドランド』『ザ・メニュー』『哀れなるものたち』ほか1100本以上。
著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 WOWOWプラス審議委員、 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」も運営もしている。
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