May 29, 2018 interview

映画『犬ヶ島』で主役に大抜擢されたコーユー君が監督やビル・マーレイとの出会いを振り返る。

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映画が大好きで、映画の仕事に関われてなんて幸せもんだと思っている予告編制作会社代表の池ノ辺直子が、同じく映画大好きな業界の人たちと語り合う「新・映画は愛よ!!」

世界的なヒット作『グランド・ブダペスト・ホテル』や『ファンタスティック Mr.FOX』などで知られる、ウェス・アンダーソン監督による待望の新作「犬ヶ島」。第68回ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞し、加えて日本を舞台にしたストップモーションアニメ作品ということで、公開前から大きな話題となっていました。今回の「新・映画は愛よ!!」では特別編として、主人公の小林アタリの声を演じたコーユー・ランキン君を迎えて、まずは映画の裏話などをお聞きします。

→前回までのコラムはこちら

池ノ辺直子 (以下 池ノ辺)

コーユー君、こんにちは! 来日の忙しい中ありがとうございます。

日本でも『犬ヶ島』の上映が始まりました。初日の舞台挨拶はお疲れさまでした。3分でチケットは完売だったそうですよ。すごい!

『犬ヶ島』公開初日舞台挨拶より

そして、今日は『犬ヶ島』特別予告 のナレーションも読んでもらいました、ありがとうございました。

今日は、『犬ヶ島』について、いろいろ訊いてみたいと思います。

最初に監督から、主人公の小林アタリの声をやってみないかと言われたときは、どう思いましたか?

コーユー・ランキン (以下、コーユー)

台本がアタリのセリフだけで『犬ヶ島』のお話が全然分からなかったので、とても難しかったです。

池ノ辺

えーっ! アタリのセリフしかなくて、どんな人が出てくるかも分からないまま進んだの?

コーユー

はい、その時は3年前で、僕は8歳でした。

池ノ辺

じゃあ、今よりも小さかったのね?

コーユー

はい(笑)。

池ノ辺

8歳の時に台本をもらってセリフを喋るなんてすごい!

今日、どうしても訊きたかったことがあります。

ウェス・アンダーソン監督はどういう風にコーユー君をディレクションしたんですか?

コーユー

「ここは嬉しい、ここは悲しい、ここは怒って」と言っていました。

©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

池ノ辺

場面ごとに、そんな感じで演技指導があったの?

コーユー

はい、そうです。

池ノ辺

なんでそういう質問をしたかっていうと、ウェス・アンダーソン監督は日本語のセリフをコーユー君にどうやってディレクションしたのか、すごく不思議だったの。

そうか、楽しくとか、怒ってとか言ったのね。

コーユー

そうです。

池ノ辺

劇中で、「どこだ~、黒犬~」ってセリフがあったけど、あのセリフを言うときは監督になんて言われたの?

コーユー

うーん……、ごめんなさい、覚えてないです(笑)。

池ノ辺

もう忘れちゃったか(笑)、8歳の時だものね。

監督はどういう人でしたか?

コーユー

とっても優しくて落ち着いた人です。

池ノ辺

私はすごく変わった人なんじゃないかと思ったの。

コーユー

いろんな人がそう言うんです(笑)。

池ノ辺

えっ、じゃあ変わってないの?

コーユー

全然変わっていません、普通の人です。