池ノ辺直子の「新・映画は愛よ!!」
Season15 vol.06 東京テアトル株式会社 映像事業部編成部長 西澤彰弘 氏
映画が大好きで、映画の仕事に関われてなんて幸せもんだと思っている予告編制作会社代表の池ノ辺直子が、同じく映画大好きな業界の人たちと語り合う「新・映画は愛よ!!」
第6回目は、東京テアトル株式会社、映像事業部編成部長の西澤彰弘さんに、編成と宣伝両方に関わる視点から、お客様に映画を観てもらう為の仕掛けのお話や、作品をいかにしてヒットに導くのかなどを様々なエピソードを交えて語って頂きます。
- 池ノ辺直子 (以下 池ノ辺)
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「映画は愛よ!!」シリーズ15回目の6回目、シリーズ初の興行の方ということで、西澤さんのお話を聞いていますが、劇場側の奮闘ぶりがよくわかります。
私ね、2015年に20世紀フォックスの作品で『SPY/スパイ』ってあったじゃないですか、ポール・フェイグ監督によるアクションコメディでジェイソン・ステイサムやジュード・ロウが出ていてアメリカでは大ヒットになった作品。
- 西澤彰弘 (以下、西澤)
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もちろん、ものすごく面白い映画でした。
- 池ノ辺
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私、あの作品の予告編がどうしても作りたくて日本のフォックスに電話したんです。
でも、残念ながら、自分たちの手では日本公開しないと。
どこか日本配給権を買ってくれればという話だったんです。
あの時、西澤さんのことを知っていればよかったな。
- 西澤
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いやあ、聞いていても、買えなかったですね。
金額も金額なので。
やっぱり、アメリカのメジャースタジオの作品は、日本で買い付けをしようとしたら、パッケージの売り上げを大きく見ているんで、そこは難しいですね。
- 池ノ辺
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パッケージの売り上げを大きく見るってどういう事ですか?
- 西澤
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劇場の公開だけでなく、DVDなどの売り上げですね。
- 池ノ辺
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でも、今の時代、DVDってもう、さほど、売れないですよね?
- 西澤
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売れないんですけど、でも、そこでの売り上げの見込みがないと、買う方も買えないんです。
DVDが売れなくても、ネットで配信したり、国内の飛行機の上映権を売りましょうとか、地上波のテレビ放映権とか、まだ儲けどころのツールがいろいろあるじゃないですか。
でもね、劇場は、観客の払うチケット代と映画館での飲食ぐらいしか売り上げがないので、もう、本当に必死です。
とにかく劇場に来てもらわないといけない。