Feb 14, 2017 interview

第6回:『貞子 3D』は、みんなに「こんなの、当たるかよ」と言われていたんです。

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池ノ辺直子の「新・映画は愛よ!!」

Season13  vol.06 株式会社 KADOKAWA 映像事業局 邦画・洋画 ディビジョンマネージャー 兼 映像営業部 ゼネラルマネージャー 加茂克也 氏

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映画が大好きで、映画の仕事に関われてなんて幸せもんだと思っている予告編制作会社代表の池ノ辺直子が、同じく映画大好きな業界の人たちと語り合う「新・映画は愛よ!!」 第6回目は、引き続きKADOKAWAの加茂克也さんに、大ヒットした映画『貞子 3D』の公開に合わせて展開したプロモーションの話を始め、これまで手掛けられた、そしてこれから公開する映画作品について語っていただきます。

→前回までのコラムはこちら

池ノ辺直子 (以下 池ノ辺)

回はパラマウントを突然、お辞めになった話でしたが、どういう経緯で現在のKADOKAWA、当時は角川エンタテインメントに、入社することになったんですか

加茂克也 (以下、加茂)

常務だった石橋さんから電話をもらって「パラマウント、辞めたんだったらうちに来ないか?」って

池ノ辺

るほど、それが角川エンタテインメントさんだったんですね

お給料は外資と日本の企業とでは差があったでしょ?

加茂

ありましたよ。

ありがたいことに最初に声をかけていただいた所だし、そんな贅沢は言えません(笑)

社長の椎名さん、石橋さんには今の仕事の基礎のきっかけを作ってくれてホント感謝しています、あざーす

入社した角川エンタテインメントは、当時ドリームワークスの日本の権利を持っていてクループ会社で担当分けをしていたんです。

劇場配給は実写が角川映画、アニメはアスミック、宣伝は角川エンタテインメントという具合に。

角川エンタテインメントはドリームワークス含めて角川グループのビデオ販売会社でもあったんですけど、すべて同じフロアにいて、連携しやすくて、理想的な形だったんですよ。

池ノ辺

なるほど。

その頃私は、ドリームワークスの『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』をアスミック・エースで予告編を作っていましたね。

加茂

そうだったんだ。

その後、ドリームワークスがパラマウントに買収されて契約が終了して、邦画と洋画の垣根がなくなったので角川エンタテインメントと角川映画が合併したんです。

そして、角川書店になって、今はKADOKAWAに変わりました

池ノ辺

頭がこんがらがってきた、全然、わかんない。

加茂

その頃は、特にアニメーションがすごい勢いでのびていましたね。

全く知らないオタクの世界で僕はアニメに興味はなかったのですがアニメビジネスには興味があったから、すごく勉強になった。

その後、合併して権利元の角川書店のビジネスモデルを当時上司だった常務の安田さんから直接見聞きしたのは実写ビジネスでも、ものすごく役立ったんです。

正直ビジネスとして著作物をもつことの凄さと人材に驚きましたよ

池ノ辺

自社の豊富な原作をコミック化、アニメ化、映画化して、商品化する、そのひな形を作ったのが角川さんですね。

これぞまさに、メディアミックス戦略。

加茂

その通り。

ところで話を戻すと角川映画と角川エンタが合併して新生角川映画となったんだけど、当時の角川映画は「沈まぬ太陽」「ドロップ」「漫才ギャング」など邦画中心の映画会社で、合併後最初、僕は2次利用の現場責任者でした。

角川映画になって自分自身何が良かったかと言うと映画企画製作、映画配給の部隊をまじかに触れられたことが大きかった。

さらに調布にある角川大映スタジオの小畑社長やスタジオの皆さんに映画製作現場と仕組みを実践で教えてもらいました。

そして洋画も買い付けで各映画祭に参加することとなり、自分がパラマウント時代に感じていたことをやらせてもらった。

まったく感謝しかないですよ。

そしてその後、角川グループの映像事業の成長を促すために角川書店と合併したんです。

池ノ辺

そこで『貞子3D』の話ですね。

ぜひ聞きたいです。

加茂

ホント、『貞子3D』で俺はついているなと思いましたね。

俺はいつも運がある。(笑)

池ノ辺

加茂さんの根性なのか、運を無理矢理引っ張ってくる