挑戦的な一カ月、信頼し合いながら撮影
──山戸監督は乃木坂46のMVで堀さんとご一緒されていますが、最初に堀さんとお会いした時の印象をお聞かせいただけますか。
山戸 たった二日間の撮影でしたが、現場での凛として真っすぐな立ち姿が印象的でした。当時、堀さんを見てとても真摯な方なんだなと、その存在感がずっと残っていたんです。そしてこの映画のお話をいただいた時に、初役は堀さんが良いのではないかと自然に浮かびました。
──堀さんは先ほどの監督のお話によると、漫画の世界と自身の中から溢れ出るリアルな感情を混ぜながら演じられたと思いますが、難しかったですか?
堀 自分のリアルな感情を初の心情と重ね合わせていく中で、最初はどういうふうにお芝居で表現したらいいのか悩むこともありました。でも、その悩みはすぐに消えてしまうほどに撮影がどんどん楽しくなっていったんです。想像以上の映画が完成すると信じていましたし、挑戦的な一カ月を過ごさせていただけたなと。とても良い経験になりました。
──監督とお話をされた中で印象に残った言葉はありますか?
堀 そうですね……たくさんありすぎて……選べません(笑)。
山戸 では私が答えてもいいですか(笑)? 堀さんはどんな言葉を投げかけても、1カット1カット、必ずより良いお芝居で応えてくださるので、「自分の耳で相手の言葉を真剣に聞かれる方なんだな」と感じていました。そういう誠実な方にしかできないようなお芝居のグルーヴ感を持っているので、私からも、思ってはいないことは絶対に言えなかったです。それから堀さんは「何があっても大丈夫です」と言葉でハッキリ伝えてくださったり、態度で示してくださったので、お互いに信頼し合いながら撮影できた感覚が残っています。
堀 監督が信頼してくださっていることが伝わってきたので、すごく嬉しい気持ちで安心してお芝居することができました。
──初の同級生・亮輝役の清水尋也さん、初の幼なじみ・梓役の板垣瑞生さん、初の兄・凌役の間宮祥太朗さんとのお芝居はいかがでしたか?
堀 いろんな刺激をいただきました。私はお芝居の経験が浅いので、現場でみなさんとご一緒していく中で「こういうリズムで台詞を言うんだな」と観察するようにしていたんです。お芝居をしながらいろいろなことに気付けたのは楽しかったです。