組というチームで制作すること
ーー 片山慎三監督は独特な演出をされるなど、いろんな話を耳にしますが、ご一緒してみていかがでしたか?
お会いする前はもっとぶっ飛んでる人なのかなって思っていたのですが、僕は、すごくやりやすかったですね。
ーー 具体的にどういうところでそう感じましたか?
片山監督の『岬の兄妹』とか『さがす』を観たんです。こういう少し重たいテーマの作品って観るかどうか、悩んじゃうんです。でも、観終わった後に「ちゃんとエンターテインメント作品なんだな」っていう観やすさがあった。「ガンニバル」って、映画じゃなくて7話続けて観ていただくドラマなので、観やすさみたいなものも必要だと思っているのですが、片山監督はそういう絶妙なバランスを取れる方なんだって感じました。
これからの映画界で、センターにいて引っ張っていく人なんだなっていう、頼りがいというかオーラを勝手に感じました。そんな話をしてスタッフと盛り上がるみたいな (笑) 。愛される監督なんだなって感じますね。
ーー 片山監督と付き合いの長いスタッフの方が、本作にたくさん参加されていたので、撮影がスムーズだったのかもしれませんね。
それは絶対ありますね。撮影部、照明部、録音も美術も、全体的にはメイクも衣装も、初期の『岬の兄妹』のころから一緒にやってるメンバーが8割ぐらいなんじゃないですか。こういう時代こそ、組の大切さを感じたって撮影部の方ともずっと話していましたね。
ーー 片山組で撮影するから特別というわけではなく、チームワークとして映画作りの大切なところですよね。
そうですね。組ってちゃんとしたまとまりがあって、ひとつの立派な組織なわけなんです。そのなかにパワーがあるし、言葉を発しなくても理解し合える距離感がある、それってやっぱり大事なんだなって改めて感じました。