スクリーンから溢れる情熱
ーー バズ・ラーマン監督との仕事はいかがでしたか。
I love him!(笑)
彼は作品も素晴らしいし、今回一緒に仕事ができて本当に嬉しかったです。
ーー バズ監督って、元気いっぱいっていう感じですよね。
本当にそうです。僕が知っている誰よりエネルギーがあって、撮影が始まってからも1日も休まず、どうやってエルヴィスの物語を1日でも早く皆さんに届けるかということしか考えていなかったのです。それはもう、すごい情熱でした。
ーー ああ、それはスクリーンからも溢れ出てました。
そうでしょう!
ーー ご自分と監督との関係はどうでしたか。エルヴィスとパーカー大佐の関係に似たところもあったんでしょうか。
確かに、バズは冗談で「僕は大佐みたいだね」と言っていました(笑)。まあ実際、映画を宣伝するのが仕事という面では、大佐と通じるものがあるのかもしれません。でも僕はそうは思わなくて、もっと健康的な関係を持てていると感じています。
ーー この映画はご自身にとっても大きなターニングポイントになるような作品だと思いますが、バトラーさんの映画への想いをお聞かせください。
映画というのは、世界中で愛されているし、人間であるということがどういうことなのか、多くを教えてくれるものだと思います。人は、自分とは違うかもしれない人でも、映画では共感できます。例えば黒澤明の映画を観て、その世界に入り込む。そうするとそれまでの自分にはなかった文化を理解でき、多くのことを学べるんです。
劇場で映画を観た後には、世界がひらけて明るくなったような気がします。そして知らない人に対してさえも、とにかく人に対する愛が、自分の中で大きくなったような気がする。それってやはり素晴らしいことですよね。
文・構成 / 佐々木尚絵
写真 / 岡本英理
ビートルズやクイーンなど多くのアーティストたちに多大な影響を与えた「世界で最も売れたソロアーティスト(ギネス認定)」エルヴィス・プレスリー。だが、彼が頂点に立つまでには、知られざる険しい道のりがあった。腰を小刻みに揺らし、つま先立ちする独特でセクシーすぎるダンスと、真新しい音楽“ロック”を熱唱するエルヴィスに、若者達は大興奮。小さなライブハウスから始まったその熱狂は瞬く間に全米に広がり、エルヴィスはスターダムを一気に駆け上っていった。しかし一方で、ブラックカルチャーをいち早く取り入れたパフォーマンスは世間の反発を呼び、エルヴィスは世間の非難を一身に浴びてしまう。42歳という若さで死んだスーパースターエルヴィスの波乱万丈な生き様を、数々の名曲で彩られた圧倒的なライブパフォーマンスで描く。
監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス、オリヴィア・デヨング、コディ・スミット=マクフィー
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
公開中
公式サイト elvis-movie.jp