Oct 13, 2019 interview

「俳優として企画から関わっていきたい」―滝藤賢一に聞くいま挑戦したいこと、影響を受けた名優たち

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夢はチャウ・シンチー監督作への出演

──滝藤さんはシリアスなものからコミカルなものまでさまざまなジャンルの作品に出演されていますが、作品選びで大事にしていることはありますか?

基本的にはお話をいただいてスケジュールが合えば、すべてお受けするようにしています。とくに40代になってからは余裕を持ってリラックスした状態でいろんなことに臨めるようになってきたので。現場で相手とのセッションを楽しもうとか、監督の演出に応えられるように集中しようとか、自分のやるべきことがハッキリしていますから。体力的にもいまが一番いい時だと思っているので、声を掛けていただけるなら、どんなことにも挑戦してみたいです。バラエティ番組でもなんでも(笑)。

──まだ挑戦したことのない“演じてみたい役”はありますか?

どんな役でもいいから、チャウ・シンチーが監督した映画に出るというのが夢です。主役だけど台詞のない役っていうのもいいですね(笑)。あっ、そういえばこの間観た『ロボット2.0』(10月25日公開)がめちゃくちゃおもしろかったんですよ!

──『ロボット2.0』のような作品にも挑戦してみたいということでしょうか?

ぜひやってみたいですね! 最強のおじさんロボットが地球を救う映画『ロボット』(10年)の続編なんですけど、主演のラジニカーントがまったくキレのない動きで戦うからつい笑ってしまって。もう70歳近いから仕方ないんですけど(笑)。ああいう俳優になりたいですね(笑)。動きのキレとかカッコよさとかどうでもいいんだなと思いましたし、逆にこれって究極なんじゃないかと。エンドロールなんて「本編よりお金かかっているよな」と思うぐらいすごく凝っていて…って最後に別の映画の宣伝をしちゃってるじゃないですか(笑)。『ロボット2.0』を観る前に『駅までの道をおしえて』を観てくださいね!

取材・文/奥村百恵
撮影/三橋優美子
スタイリスト/中村みのり
ヘアメイク/那須野 詞

プロフィール
滝藤賢一(たきとう・けんいち)

1976年生まれ、名古屋市出身。1998年から“無名塾”に在籍し、舞台を中心に俳優活動をスタートさせる。その後、映画やドラマなどで幅広く活躍。近年の主な映画出演作に『愛の渦』(14年)、『はなちゃんのみそ汁』(15年)、『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』『64-ロクヨン-前編/後編』『SCOOP!』(16年)、『関ヶ原』(17年)、『孤狼の血』『虹色デイズ』(18年)など。今後は『影踏み』(11月15日公開)、『決算!忠臣蔵』(11月22日公開)、『初恋』(2020年2月公開)が控えている。

公開情報
『駅までの道をおしえて』

8歳になるサヤカ(新津ちせ)は、大好きだった愛犬ルーの帰りをいまも待っている。周りの大人たちはもう戻ってこないというけれど、サヤカは信じることができない。ある夏のはじめ、サヤカは一匹の犬に導かれ、喫茶店のマスターのフセ(笈田ヨシ)と出会う。彼もまた、大きな喪失を抱えて一人で生きていた。別れを受け入れられない二人は、互いのさびしさに寄り添ううちに、思いがけない友情で結ばれていく――。
原作:伊集院静『駅までの道をおしえて』(講談社文庫)
脚色・監督:橋本直樹
出演:新津ちせ 有村架純/坂井真紀 滝藤賢一 マキタスポーツ 羽田美智子/柄本明 余貴美子/市毛良枝 塩見三省/笈田ヨシ
企画・製作:GUM・ウィルコ
配給・宣伝:キュー・テック
2019年10月18日(金)公開
©2019 映画「駅までの道をおしえて」production committee
公式サイト:https://ekimadenomichi.com/

書籍情報
『駅までの道をおしえて』伊集院静/講談社文庫