Jan 05, 2023 interview

『ドリーム・ホース』で感じた、諦めてはいけない幸せになる可能性 俳優・渡辺真起子が選ぶ新春映画

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ーー 渡辺さんは日常的にワクワクすることしてますか?

道、間違えたりしてるよ。ワクワクするために行ったことない道に入るの。約束があるときはしませんけど、時間があるときは、通ったことない道を通るようにしてます。

ーー 新しい発見がある?

ありますね。

ーー 迷うのが楽しいんですか?

迷いたいわけじゃない(笑)。迷ってるふうに見えるかもしれないけど、発見ですよね。

ーー 最近、なにかありました?

「え、こんな道あったんだ」で十分ですけどね。

ーー 知らなかったことですもんね。

この間もタイで「ホテルから見えるあそこなんだろう?」って思って行ってみたら、シルクの工場で、ほほうって入ったら、「どうしましたか?」って声かけられて、タイシルクを見せてもらいましたね。

ーー アポ無しで突撃したってことですよね。

近所のおばちゃんで入ってきちゃう人いるじゃないですか、そんな感じです。でも悪意があるわけじゃないので(笑)。

ーー じゃぁ人生で胸が高鳴ることってなんですか?

映画ですかね、映画や芝居。私が関わっていることは、常に私の胸を高鳴らせてくれる。だからそれを、職業にしてるんですよ。「何者かにならなきゃいけない」っていう時代の流れがあったと思うんですけど、「何者でもない私っていうものが生きててはいけないのか?」ってすごい葛藤があったの。だから、こういう話が好きになっちゃう。

ーー 何者でもない普通の人たちが主人公ですからね。

誰にだって幸せに生きる権利はあって、優秀だったり特別じゃないとダメ、っておかしいじゃないですか。はっきり言って、ほぼそうじゃない人たちが世界を支えてるわけでしょ。みんなが特別優秀にならなくてもいい。

ーー それが感じられますよね、この話は。

コロナがあろうがなかろうが、生活していくってことは、すごく苦労が伴うじゃないですか。「きっといい日が来る」って思えるような映画ですね。みなさん、幸せになる可能性をいつまでも忘れないでください。

文 / 小倉靖史
写真 / 藤本礼奈

ヘアメイク / 市瀬ひとみ

作品情報
映画『ドリーム・ホース』

イギリス・ウェールズの⾕あいの⼩さな村。主婦ジャンは⼦供も巣⽴ち、無気⼒な夫と2⼈暮らし。単調な⽇々に嫌気がさしていた彼⼥は、クラブで共同⾺主の話を⽿にして強く興味を惹かれ、勝ったことはないけれど⾎統の良い牝⾺を貯⾦で買い、種付けをして産まれた仔⾺を競⾛⾺に育てることを決意。寂れた村の⽣きがいを失いかけた⼤⼈たちが集まり、2年間、毎週10ポンド(約1,650円)を⽀払って組合を結成することに。そして、産まれた仔⾺は「ドリームアライアンス(夢の同盟)」と名付けられてレースに出場。奇跡的に勝ち進んでいき、彼らの⼈⽣をも変えていく。

監督:ユーロス・リン

出演:トニ・コレット、ダミアン・ルイス

配給:ショウゲート

© 2020 DREAM HORSE FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

2023年1⽉6⽇(⾦) 新宿ピカデリー・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開

公式サイト cinerack.jp/dream/