Jan 05, 2023 interview

『ドリーム・ホース』で感じた、諦めてはいけない幸せになる可能性 俳優・渡辺真起子が選ぶ新春映画

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ーー ひとつずつ報われていくといった、小さな積み重ねですよね。

またあの頃みたいに中年の人たち、初老の人たちが希望を持ったっていいじゃないか、って話じゃないですか。夢を語ることを諦めちゃいけないなって思いましたね。

ーー 確かに。

事実をもとにした話だけど、実際にはもっといろんな複雑な状況があったと思うんです。「誰でもそうなれるよ」とは言えないと思うんですよね。言えないけれど、可能性を持つことは、なんの罪もないわけでしょ?

ーー そういった意味で年齢関係なく観られる映画ですね。

あと家族の物語でもあって、割と年齢層高い方たちに観てもらいたいですね。『フィールド・オブ・ドリームス』じゃないですけど、そのような映画でもあるのかな。

ーー 競馬がテーマですけど、一攫千金って話じゃないですからね。

そうなんですよ。最初に共同馬主のとルールとして、たくさん儲けるためにやるもんじゃない。そこがね、観やすさに繋がってますね。

ーー 日常のときめきが大事なわけですからね。

必ずこの人たちは話し合いをするじゃないですか。一番リスクを払った主役のトニ・コレットが中心でしたけど、でも自分だけのためにやってるんじゃない。慎ましいといえば慎ましい。誰もヒーローじゃない。

ーー 閉塞感のある日常の中、希望を見出していく話ですもんね。

そうそう。人生の支えになるものを持つことが悪いことじゃないし、それがなんなのかさえ忘れてる。自分が自覚しないと手に入らないかもしれないね。