Apr 21, 2024 interview

森田想インタビュー 俳優がその役を演じることで化学反応を起こすと監督が信じた『辰巳』

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――現場が好きだったのですか。

現場が好きでした!次第にメインじゃないことだったり、シーンの短さで悔しいという気持ちも芽生えましたけど、最初の頃は楽しいという気持ちでやっていました。

――一番の転換期はいつですか。

子役事務所から今の事務所に移った時期、中学3年生の頃が転換期だと思っています。ちょうど映画『ソロモンの偽証』(2015)をやらせて頂いて、そこで厳しさなど全部知った感じです。やるにはしっかりと覚悟を持たないといけない、それを踏まえたうえで“やっぱりやりたい”とその時点で思ったんです。

映画『ソロモンの偽証』は、同い年の俳優でオーディションを受けて居ない人はいないくらい幅広くオーディション告知された作品だったんです。生きている全員が受けていたくらいの印象ですかね(笑)。本当に皆が受けていたんです。その中から少なからずも選ばれているから“誰にも演技で負けたくない”と思ったんです。そう思わないと演じられなかったので、性格が変わったというか、強くなったんだと思います。

――悔しくて泣いたりしたことは。

あります!悔しくて学校を休みました。

――それでも“まだやれる”と思われたのですね。

映画『ソロモンの偽証』で出会った友達とその日の撮影が終わるたびに「お前も良かったよ」「いや、お前も良かった」とお互いに褒め合っていました(笑)。今も皆で褒め合って生きています。だから心強かったです。

――成島出監督とはその後お会いしているのですか。

『ソロモンの偽証』チームでお花見をしています。その時、成島監督とはお会いしていますし、『アイスと雨音』が東京国際映画祭で選ばれた時は「おめでとう」という直筆の手紙と一緒に大きな花束を贈って下さいました。それで、「優しいです」と成島監督にメールしました(笑)。

――そう考えると本当に長い年月、芸能界でお仕事しているんですよね。ちなみに今の自分に対して満足度はどのくらいですか。

実は最近まで自分に満足していたのですが、満足しなくなってしまったので、今はZEROです。一周まわった感じです。私の芸能界でのお友達は『ソロモンの偽証』からの友達が多くてもう10年ぐらいの友達歴なんですけど、その子達と話している時に「足りなくなってきたよね」という話になったんです。大学にも行かないで、人より早く社会に出て、皆が子役からやっているので一通りやり尽くした感じがあるんです。学生モノのエキストラもやりましたし、メインキャストも出来るようになり、そしてメインキャストを支える脇の役も出来るようになりました。やり尽くしてしまったんです。だから後は違うフェーズに行かないといけない期間というか。だから今は吸収しないといけない、勉強し直さないといけないという話をしました。足りてない感じがしています。