―― 自分達を動物に例えるならなんですか。
大東君はでかい人だと思っているので、動物に例えるとゾウとかかな。石田君はちょっと歳を重ねたトラ。昔はトラだったけど、落ち着いた感じがするから(笑)。ちょっと老いて達観したトラです。自分は鳥ですかね、何となくですけど。
―― 色々なジャンルの日本映画にご出演されていますが、日本映画に携わる上で考え方に変化は生まれましたか。
年齢が変わっていくという部分で、変化していく部分は大きいです。ただもう少し、自分が居る世界や自分がやっていることに対して、自分事ではなくなってきた感じはします。今までは全部自分事でやって来た人間でしたし、いまだにそういう部分もあります。でも、もう少し「これは誰かの為になる。誰かが笑ってくれたらいいな。この映画で誰かが喜んでくれたらいいな」と関わり方として半径が狭かったものが、広がったとは思います。
―― 最近20代の若い俳優さん達にインタビューする機会があったのですが、皆さんが「自分の役でいっぱいいっぱいなのですが、先輩たちを見て映画全体を見ないといけないということに気づかされました」と言っていました。
僕の勝手な印象ですが、若い頃の方が逆に誰かの元気や勇気の為にやっている人が多いと思っていました。今は違うのですね。でも、20代の時に他人を演じる仕事を選び、それをしているのだから、いっぱいいっぱいであるべきですよね。それは“セットになっている”と思っているので、それでいいと思います。変に達観する必要はありませんよね。
―― その枠からは抜けられましたか。
抜けていると思います。抜けた方が広がって面白いので。自分の為だけでやるわけではないと。自分の中で抱えているものを消化出来たら嬉しいですよね。だけど、それだけじゃないと感じています。
―― 出演作品を選ぶのに、大切にしていることはなんですか。
タイミングと縁に重きを置いています。『Gメン』(2023)に出演した時、周りからは「よく出たね」と言われたりもしました。でも、あれは“スケジュールが空いている”という物理的なタイミングもありましたが、33歳で【高校生役】なんて2度と出会えるわけがないので、だったら2度と出会えない役を演じたいじゃないですか(笑)そういうのもあって“やって良かった”と思っています。これは縁ですね。
―― 『Gメン』も『東京リベンジャーズ』(2021~)も下の世代の多くの若い俳優さん達と共演をされていますが、彼らを見てどう思われましたか。
まず吉沢亮とは、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(2021)では、いとこ役を演じていて『東京リベンジャーズ』は兄弟役。血の繋がり的にはちょっとレベルアップしました(笑)。これもタイミングと縁ですね。
やっぱり若い人達と共演して思うことは、僕たちの若い頃と変わらず皆、芝居に真剣です。面白かったのは『東京リベンジャーズ』も『Gメン』も舞台挨拶の雰囲気から何から何まで違うんです(笑)。同じ下の世代の子たちなのですが、世代が一緒でもノリが違うという面白さがありました。
『東京リベンジャーズ』はちょっとヒリヒリ系な感じで、それは出演者たちが持っているもの、抱えている感じなんだと思います。『Gメン』は作品もそうですがもう少し柔らかい感じでしたね。