―― 平良の純粋さが、時に清居を傷つけるというシチュエーションがありましたね。
その感情に濁りがあるだけで、悪意になってしまうんですよね。だからちぐはぐになってしまわないように注意して、あえて鈍感になって平良を演じました。
―― シーズン1を観ている時に思ったのが、その画も綺麗だったことでした。照明や全体の引きの画など凄く映画的な印象を受けました。酒井麻衣監督との撮影はいかがでしたか。
確かにそうですね。映画もそうでしたが、場所も美術もとてもこだわって撮影していました。照明さんをはじめ、映画チームのスタッフが多かったような気もしています。だからドラマも映画も画が凄く綺麗でした。自分たちが撮影中に見ている景色よりも、作品として出来上がった時の色合いがとても綺麗でした(笑)。
―― リアルとファンタジーの間の世界観ですよね、【清居奏】役の八木勇征さんとは今では息もピッタリですが、最初に出会った時から直ぐに意気投合されたのですか。
わりと早く打ち解けました。本当に最初の一瞬だけちょっと探るみたいな感じで、その後はすぐに仲良くなれた気がします。撮影もプロモーションも一緒だったので、ずっと喋ってました。撮影でも酒井監督が僕達を自由に泳がせてくれて、時々、軌道修正するみたいな感じで、すごくやりやすくて楽しい現場でした。
―― 萩原さんにとって「美しい彼」いう作品はどんな作品でしたか。
“一生懸命にやるとそれを見てくれている人がいて、ちゃんと気づいてくれる人がいる”。
作品を作る上では、これ以上ないシンプルなモチベーションに気づかせてもらえた作品です。まわりくどいことではなく、シンプルに一生懸命良い作品を作ろうと思って、細かいところまで一つ一つ、スタッフの皆できちんと作り上げていく大切さを実感しました。そうやって作られた作品をお客さんが観て、その細かい部分まできちんと気づいて楽しんで、評価してくれる人たちがいる。そのことが、とてもシンプルだけど、これからもずっといろんな人の心に響いて、忘れられない結果を生むんじゃないかと思っています。これからも、どんな役も一生懸命やろうと思います。