Apr 13, 2023 interview

萩原利久インタビュー これ以上ないシンプルなモチベーションに気づかせてもらえた作品『劇場版 美しい彼〜eternal〜』

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「汝、星のごとく」で本屋大賞2023を受賞した凪良ゆうによるシリーズ累計70万部を超える人気BL小説を萩原利久、八木勇征、W主演でドラマ化した「美しい彼」。おとなしい高校生の平良一成が、同級生でカリスマ的存在の清居奏と出逢い、彼の美しさに目が離せずにやがて想いが交わっていく物語は、日本のみならず、タイやベトナム、韓国でも配信され、多くのファンを獲得。そんな平良と清居=「ひらきよ」のドラマはシーズン2まで製作され、それ以降の物語が『劇場版 美しい彼〜eternal〜』となって現在、大ヒット公開中です。今回は、【平良一成】を演じた萩原利久さんにお話を伺います。

―― 「美しい彼」は日本のみならずアジアでも大人気ですが、この反響をダイレクトにお聞きになったのはいつ頃ですか。

2021年のシーズン1の放送が始まっていた時で、一番最初は朝起きてインスタグラムのコメント欄に、今まで見たこともなかった言語がいっぱい並んでいて、その時、“オヤ?”と思いました。少なくとも外に広がっていることを知ることが出来ました。本当に急に増えたんです。

―― ドラマは「ひらきよ」(平良と清居)の心の変化をとても丁寧に描いていて、観客をじっくりと惹き込んでいく作品でしたね。

特にシーズン1の時はBLというテーマはありましたが、どちらかというと人と人の関係を丁寧に作り上げることに集中しながら演じました。それは人間のやり取りだったり、その人の根本の部分を理解してもらえるように丁寧にとことん演じようという感覚で挑みました。それが結果的に良かったのではないかと今は思います。

―― 【平良一成】というキャラクターを演じるうえで、意識したところはどこですか。

シーズン1の時はモノローグが多かったので、目の表現だけでどれだけの情報を伝えられるかという部分を意識していました。モノローグの部分での演技は台詞がないので、心の動きやその時の感情を目だけで表現しないといけなかったんです。だからこそ、動きや目線、表情とかはいつも以上に考えながら演じていました。

シーズン2以降は、平良の気持ちが清居に伝わってからの話なので、感情や視線がブレないことを意識していました。シーズン1はある意味、平良の憧れという視点なので一方通行でも成り立つ物語でした。その分、自己完結みたいな部分もありました。でもシーズン2以降は自己完結ではなく、対、清居なので、ある程度のやり取りを成立させないといけない。でも起きている出来事がとてもしょうもないことだったりもして‥‥(笑)。

もちろん当人からすれば凄く大きな出来事なので、地球の終わりみたいな表現を演技ではしています(笑)でも傍から見たら本当に大したことじゃないから、そのまま演じてしまうと“気づく、気づかない”の表現がどうしても不自然というかオーバーになってしまうんです。でも“気づいたら”終わりなので、鈍感な部分をどれだけリアルに自然に表現出来るかにかかっていました。それは【平良】の純粋さやブレないところを確立されきったキャラクターとして演じないと物語として成立しないかもしれないと思ったので、強く曲がらないように一本芯を通して演じていました。