―― 私はまつむら監督の『ロマンス・ロード』(公開:2013年)も好きで、笑いの中にリズムがあるんだけれども「愛おしい」という言葉がハマる作品を作られる監督だと思っています。この作品もそうですよね。
映画の撮影が終わってからまつむら監督に誘われて、iaku『あつい胸さわぎ』(舞台)を観劇しました。脚本を読んだ時に感じた温かさを舞台でも同じように感じて“ここから来ているんだ”と凄く思いました。
この作品はオーディションで決まったんです。オーディションの時から私自身のことをたくさん聞いてくださる監督だったんです。もちろん監督は映画の台本部分もやりながらでしたが、基本的には私のことを凄く聞いてくださったんです。監督が言ってくださった「一緒に戦って欲しい」という言葉通りに現場では隣に居て、まるで父親のように見守ってくださって監督の温かさを感じていました。
母親【昭子】役の常盤貴子さんと【透子】役の前田敦子さん、3人で話していた時も「こんなに映画に対して情熱を持っている監督はなかなか居ないよね」という話をしていたほどで、この映画を監督が一番愛していることが伝わってきます。それがこの映画に現れていると思います。
―― 【千夏】を演じながら自分自身が入っていると感じた時はありますか。
結構、私です(笑)。ほとんど私であるくらいです。監督とは【千夏】という役自身について、【千夏】自身のこれまでの人生や行動など深い話をしたりはしていないんです。【千夏】と【昭子】、親子の関係については話をしましたが。
だからこそ自分を役に入れながら【千夏】を演じていました。オーディションの時から【千夏】と自分の共通点を感じていて“こんなにも共感出来る役があるんだ”と運命を感じる作品でもあります。
―― 具体的に共感した部分を教えて下さい。
母との関係性、年齢もそうですし、私自身にもコンプレックスはもちろんあって、その気持ちも凄く理解出来ます。それらは特に共感できる部分でした。
現場は常盤さんや前田さんが【千夏】で居させてくれるようにフランクに話しかけてくださり、面倒を見てくださいました。それらのことで自然に親子、姉妹のような関係性を私自身が感じることが出来たことが凄く大きかったと思います。