Aug 18, 2022 interview

中村正人インタビュー 『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』30年前に作った音楽が進化して今に繋がった

A A

1991年に日本で誕生し、世界中を虜にしたゲームキャラクター「ソニック」。その人気は止まることを知らず、2020年にはハリウッド映画『ソニック・ザ・ムービー』が全世界公開。結果、ゲーム原作映画史上 No.1となる歴代興行収入を塗り替える大ヒットを記録しました。

そして今年、続編『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』が、8月19日に日本公開となります。今作では、ソニックだけでなく、キュートな仲間テイルス、宇宙一キケンな戦士ナックルズ、 というソニックファンお馴染みの人気キャラクターが登場。果たしてソニックと仲間は地球最大の危機を止めることができるのか?この夏、映画館で爽やかな興奮を味わえるファミリームービー『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』の日本語吹替版は、前作に続き、俳優の中川大志がソニックを担当。他にも山寺宏一、木村昴という実力溢れる声優陣が顔を揃えています。

今回は、日本版主題歌を担当されていますDREAMS COME TRUEの中村正人さんに、ドリカムが生み出す映画と音楽の素敵な関係を伺います。

中村正人インタビュー 『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』30年前に作った音楽が進化して今に繋がった
中村正人インタビュー 『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』30年前に作った音楽が進化して今に繋がった

―― DREAMS COME TRUEは、映画の繋がりが深く、『7月7日、晴れ』(公開:1996年)や、『未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』(公開:2007年)のように歌から生まれた映画、『ワンピースTHE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜』(公開:2008年)劇場版『Gのレコンギスタ』(公開:2019年、2022年)などの主題歌や、『インサイド・へッド』(公開:2015年)のように日本版オリジナル主題歌など、他にも多くの作品を手掛けていらっしゃいます。

それは吉田(美和)と僕が映画好きということと、一生懸命やるからだと思うんですよね(笑)。大抵はタイアップだけど、僕らは映画に入り込むまでやるから‥‥。それが「愛しのライリー」(『インサイド・へッド』主題歌)の時はtoo much(過度)だったかなという思いがあります。特に日本語版のタイアップの時は立ち位置が凄く難しいんですよ。

―― どんな意識で曲を作られるのですか。

今は本当にわからないんです。誠心誠意というのが僕たちのモットーなんですが、今それをやると逆にうざがられたりもするから。ある種、上手く距離をとって「映画の為に音楽がお手伝いをする」という考え方をしっかりもたないと駄目かもしれないと思っています。

『WINTER SONG』(『めぐり逢えたら』(公開:1993年)日本版オープニング・テーマ)が最初の映画タイアップ曲ですが、あの時はソニー・ピクチャーズの偉い方が声を掛けてくれたんです。あの当時と今では全然違いますね。

―― 映画館で本編上映前にオープニングフィルムとして曲が流れ、セリーヌ・ディオン&クライヴ・グリフィンの映画主題歌「When I fall in love」にも寄り添っていて、2度も映画館で観た作品です。映画のイメージソングのようなタイアップ曲を手掛けられたのはDREAMS COME TRUEが初めてだったような気がしています。

そうですね、僕らが初めてかもしれないですね。

中村正人インタビュー 『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』30年前に作った音楽が進化して今に繋がった

―― その後、『未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』(公開:2007年)のように、ご自身の歌が「物語になる」という現象が起こりました。これはアーティストにとって一番の夢のように思うのですが。

吉田の詩を映画にすると、詩の再現フイルムになってしまうというか、詩を解釈してくれる人の自由度がなくなってしまう気がして、吉田は詩のまんまの映画化はあまり好きではないんです。そういう意味ではスターチャンネルの『5つの歌詩』は、我々の詩と歌をベースにしているけれども、そこにインスパイアされた物語を脚本家の岡田惠和先生達が書いてくれて、5つの物語として映像化して下さったので面白いと思うんです。

だから、僕らがタイアップ曲を頼まれた時は、逆に映画にビッチリ寄り添い過ぎず、でも映画を膨らませられるようなタイアップソングでないといけないと思っています。 

―― 『ソニック』との関わりは、30年前のゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のメインテーマ曲「Green Hill Zone」を中村さんがアーティスト表記無しで手掛け、昨年その曲をベースに吉田美和さんが詩を書き下ろし「次のせ〜の!で – ON THE GREEN HILL -」が生まれました。そして今年、この楽曲に吉田美和さんが新たに英語詩を書き下ろし完成した楽曲「UP ON THE GREEN HILL from Sonic the Hedgehog Green Hill Zone – MASADO and MIWASCO Version -」へと進化。8月19日公開の第2弾の『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』の日本版主題歌に決定しました。

例えば『ドラゴンクエスト』のすぎやまこういち先生は、それをシンフォニーにしたりする道がありますけれども、僕らのような形で30年間も進んでいるプロジェクトはないかもしれません。ギネスに申請しなきゃね(笑)。

あとは映画主題歌に繋がっていったのは、『ソニック』のゲームファンが、僕の音楽を生存させてくれたんです。本当に最初の10年ぐらいは作者知らずだったんです。クレジットもされていませんでしたから、皆が自由にカバーして、著作権もフリーで「こんな有名な曲は誰の曲?」と聞いても「作者はいないんだよ」と書かれていたんです。だから「セガの社員の誰かが作ったんだろう」と思われていたんです。

―― それでも受けられたんですね。

でもある時点でその曲をアルバムに収録したいと思い、【セガ】さんに相談したら、ご快諾頂いたんです。そういうターニングポイントがあって、気が付いたら30年後に今回のような成果を出したのかもしれません。最近は僕が作った曲だという認識も増えてきて、特にYouTube等で皆さんが発表する動画の中でクレジットされていて、嬉しいですね。