Aug 13, 2022 interview

木村佳乃インタビュー 長い間、見守ってきた役柄を特別な思いで演じた『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』

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―― 木村さんは1996年にデビューされて、映画にドラマ、バラエティにもご出演されて、様々なことを体験されていますが、木村さんにとってエンターテイメントはどんな存在ですか。

やっぱり娯楽はなくてはならないものだと思います。私自身も映画や舞台を観たり、音楽を聴いたり、本を読んだりすることが大好きです。人生において娯楽は大事だと思っています。そういう仕事に携わることが出来て、凄く幸せだと思っていますし、誠実に向き合っていかなければと思っています。

―― 沢山のオファーがあると思うんですが、仕事はどうやって選んでいるのですか。

仕事を選ぶことはしていません。お話を頂いたもの全てご縁です。ご縁を頂いたら「ありがとうございます」と応えて、タイミングが合えば楽しんでお仕事をやらせて頂いています。

―― 木村さんは、お子さんを持たれて仕事に対して考え方など変化はありましたか。

自分ではそんなに意識していないですが、でも潔くなったかもしれません。若い頃はちょっと悩みがちというか、あと一歩が踏み出せなかった部分があったんですが、子どもが出来てからの方が、「やります!行きましょう!」みたいな感じになりました(笑)。それと、子ども達が喜んでくれるものに出られるのはやっぱり嬉しいですよね。『ジュラシック・ワールド』に決まった時とかは、娘たちも凄く喜んでくれました。

―― 『ブラインドネス』(公開:2008年)にもご出演され、海外映画と日本映画の撮影の違いを体感されたと思います。どんな違いを感じましたか。

『ブラインドネス』のフェルナンド・メイレレス監督はブラジル人なので、ハリウッド映画の監督とはちょっと違うかもしれませんが、すごく楽しかったです。肩の力が抜けた感じというか、全体的にリラックスした感じが日本とちょっと違うというか。またご縁があれば海外の作品にもチャレンジしたいですね。

―― 海外の監督で興味のある方、一緒に共演したい俳優さんが居れば教えて下さい。

いっぱい居ます、誰だろう‥‥。あっ!でも、アンソニー・ホプキンスさんを近くで見てみたいです。『ファーザー』(公開:2021年)はとにかく素晴らしかったです。作品も大好きなんですが、『羊たちの沈黙』(公開:1991年)は何回もどころか何十回と観ています。アンソニー・ホプキンスさんの演技は、出てくるだけでドキドキするし、最近観た『ファーザー』はもう圧倒的でした。

あれだけの膨大な台詞を80歳を過ぎても演じられるなんて憧れです。猟奇的なレクター博士から『ファーザー』での認知症を患う父親まで、いくつになっても第一線で活躍されて、幅が広い演技が出来るんです。アンソニー・ホプキンスさんを生で見てみたい、サインをもらいたい、一緒に写真を撮りたいです。ただのファンです(笑)。

―― 木村さんは、どんな人になりたいですか。

お仕事に関してだと、一度お仕事をさせて頂いたとして、またお声を掛けてもらえるような人になれたらと思います。一回のご縁が次にも繋がるご縁になれると嬉しいな、といつも思っています。あとは、監督さんやディレクションして下さる方のお話をよく聞くように心がけています。

だってその方達が私を呼ぶまでに準備していた時間は膨大でしょうし、そこには沢山の方が関わっているじゃないですか。だからその方達が私に望んでいることをなるべく出来るように、完璧とは言えませんが、彼らの要望に添えるように全力で応えたいと毎回、思っています。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の大ヒット舞台挨拶ではホラー映画が大好きで『死霊のはらわた』(公開:1981年)や『バタリアン』(公開:1985年)に当時、衝撃を受けたという話をしていた木村佳乃さん。けれどホラーだけではなく、ありとあらゆる洋画や海外ドラマをチェックしていて、「最近注目している女優は、ダコタ・ジョンソン、オリヴィア・コールマン」と話していました。いつも場を華やかにしてくださる木村佳乃さん。会うと気さくでくったくのない笑顔に皆が癒されるのに、作品の中では、シリアスからコメディまで見事なまでに演じ分ける女優です。

文 / 伊藤さとり
写真 / 奥野和彦

作品情報
映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』から4年。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、14歳になったメイジーを守るため、人里離れた山小屋で暮らしていた。一方、サトラー博士、グラント博士、マルコム博士は世界各地から恐竜を集めるバイオテクノロジー企業「バイオシン」のバイオシンの恐るべき計画を探る。人類と恐竜の共生の道を見出すことはできるのか?

監督:コリン・トレボロウ

出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニール

吹替版声優:玉木宏、木村佳乃 ほか

配給:東宝東和

© 2021 Universal Studios. All Rights Reserved.© 2021 Universal Studios and Storyteller Distribution LCC. All Rights Reserved.

公開中

公式サイト jurassicworld.jp

伊藤 さとり

映画パーソナリティ
年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当。 全国のTSUTAYA店内で流れるwave−C3「シネマmag」DJであり、自身が企画の映画番組、俳優や監督を招いての対談番組を多数持つ。また映画界、スターに詳しいこと、映画を心理的に定評があり、NTV「ZIP!」映画紹介枠、CX「めざまし土曜日」映画紹介枠 に解説で呼ばれることも多々。TOKYO-FM、JFN、TBSラジオの映画コーナー、映画番組特番DJ。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。心理カウンセリングも学んだことから「ぴあ」などで恋愛心理分析や映画心理テストも作成。著書「2分で距離を知事メル魔法の話術」(ワニブックス)。
2022年12月16日には最新刊「映画のセリフでこころをチャージ 愛の告白100選」(KADOKAWA)が発売 。 https://www.kadokawa.co.jp/product/302210001185/
伊藤さとり公式HP: https://itosatori.net