2022年4月からスタートしたドラマ「ねこ物件」。人付き合いが苦手なものの、あることがきっかけで猫付きシェアハウスのオーナーになった二星優斗と夢を追う同居人たちの物語はたちまち人気に。そしてついに劇場版として新たなストーリーが動き出します。
主人公、優斗を演じるのは自身も猫好きで猫を飼っている古川雄輝。映画では、優斗の過去の出来事から自分自身と向き合っていく姿も映し出され、よりリリカルな物語へと昇華。ドラマにも登場した猫のチャーやクロの自由な行動が心を癒してくれる。今回は主演の古川雄輝さんに、劇場版の感想や猫好きである自身の性格について、そして作品との向き合い方についてもお話を伺います。
―― 劇場版の脚本を読まれてどんな印象を持たれましたか。
劇場版は急激にドラマ版の伏線を回収していくんです。ドラマ版では普通の日常が描かれているんですが、劇場版では起承転結が出てきます。今までのドラマ版では出てこなかった展開が出てきて、同じ作品なのですが癒し系+α解決版みたいなイメージです。
―― 劇場版は、古川さん演じる【二星優斗】が一生懸命、人とコミュニケーションしようとする姿と共に自分と向き合う物語になっていました。
そうですね、凄い成長速度です(笑)。全く社会を知らなかった【優斗】がシェアハウスを始めて、人と触れ合って、LINE交換の仕方を覚えて、バイトもして、そして過去を知りたいと思って弟を探すところまでいく。そして最後は長井短さん演じる【広瀬有美】さんと恋愛的な発展がありそうな雰囲気まで出すようになる。凄く【優斗】が成長していくお話になっています。
―― 映画を観ながらちょっと人付き合いが苦手な人たちの背中を押すような作品にもなっているんですよね。
凄く良く出来ていますよね。自分もコミュニケーションが苦手なんですけど、人と触れ合うことが苦手な人は、動物好きが多いんです(笑)。本当に本当に猫が好きな人は、少し変わっている人が多いと思うんです。そういう特徴も絶妙に捉えていると思います。
―― 猫好きとしては共感だらけでしたが、猫が大好きな人は、どんなところが変わっていると思うんですか。
変わっていないとあそこまで自分を愛してくれない生き物【猫】に愛情を注ぐことが出来ないと思うんです。猫好きな人は、基本的にイイ人というのはそういう部分です。自分を愛してくれない生き物【猫】に深い愛情を注ぎ、面倒をみることが出来る人はイイ人という意味です。
自分は首輪とリードに繋がれた犬を「こっちに来なさい」と言ってグイと引っぱる飼い主さんを見ると“信じられない。今、犬が何かしているのに”という気持ちについなってしまうんです(苦笑)。そういったことで、自分の中で猫好きは、猫の行動を邪魔しない、好きなようにさせるので勝手にイイ人だと思っています。この映画は、そんな猫好きの人の特徴も捉えていますよね。