Mar 27, 2026 interview

田中麗奈 & 森崎ウィン インタビュー “心のモヤモヤ”と閉塞感の先にある痛快クライム・コメディ『黄金泥棒』

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平凡な主婦が金 (きん) に魅せられて犯罪を犯したという実話から着想を得て生まれた映画『黄金泥棒』。田中麗奈が退屈な毎日に刺激を求める専業主婦【美香子】に扮し、森崎ウィン演じるゴールドショップの社員【金城】の隙をつこうと犯罪計画を立てる痛快クライム・コメディです。個性的な登場人物が次々と登場し、物語は意外な方向へと進んでいくのですが、監督・脚本を務めるのは『断捨離パラダイス』(2023)、『津田寛治に撮休はない』(2026) の萱野孝幸監督。しかも劇中登場する数々の金工芸は本物?! というのもゴールドカンパニーの株式会社SGCが協力しているからであり、「金のたこ焼き器」など目を見張るものまでスクリーンに映し出されます。

そんな本作の主演である田中麗奈さんと共演の森崎ウィンさんに、撮影時に登場した意外なモノ?! や、日常で大事にしていることまでざっくばらんに話して頂きました。

――お二人が出演を決められた理由を教えて下さい。

田中 本当に脚本自体が凄く面白かったんです。“これ、私がやっていいんですか? こんな面白いものを“と思ったんです。エンタメなのに、40代の普通に生きてきた専業主婦の心のモヤモヤとか、孤独さや閉塞感とかを凄く感じたんです。そんな心の穴を見つめ返して人生を取り戻していくような、そういう彼女の成長物語でもあると思いました。それに私が演じる【美香子】という人が天然で独特の空気を持っている人で、“絶対にやりたい”と思ったんです。なかなか【美香子】のような役には、出会えないですから凄く嬉しかったです。

――【美香子】のルーティーンと言えるテレビを見ながら食べる横顔のショットが、疲れた「主婦」って感じでなんか愛おしいというか。

田中 虚無感がありますよね。

森崎 萱野(孝幸)監督は僕と同い年なんです。監督が作られた前作『断捨離パラダイス』(2023) を観させて頂いたりしていて、“同い年でこんなにクリエイティブで、この監督はどういう考えを持った人なんだろう”という興味が湧いたんです。

台本を頂いて、なかなかこんな敵役と巡り会えないじゃないですか。敵役という一言でまとめるのはあまり好きではないのですが、わかりやすく言うのであれば【美香子】の進もうとする道に壁を作るような立ち回りで、ちょっと腹黒いというか、「成功の為だったら何でもしてやる!」みたいなガッツを持ったキャラクターってなかなか出会えないんです。それも自分にとってはチャレンジングですし、色々な要素が絡み合って、今作は“凄くやりたい”と純粋に思いました。

――お二人が飲みながら会話をしているシーンでは、再現ドラマが挿入されますよね。本当に突然映し出されるので“ ?? ”ってなって斬新でした。

森崎 突然、“えっ? ”ってなりますよね (笑)。

――あの【美香子】の幼少期の写真は?

田中 私です! あの写真は私の写真です (笑)。

――やっぱりそうですよね。

田中 実家から取り寄せた写真を提供したんです。

森崎 そうなんですね! (驚)。

――凄く顔が似ていたので“アレ? ”って思っていました。

田中 そういえば、今までこのことを言って来なかったです。初公開です。「ちょっとお写真を貸してもらえませんか? 」と監督に言われて提供させて頂きました。だから私は、あのシーンが個人的に勝手にエモイんです (笑) 。「これ、私なの」って感じで (笑)。でも、あの再現ドラマの挿入は本当に独特で、“この物語はどこに連れて行かれるんだろう? ”と思いますよね。“振り返り過ぎみたいな (笑)、幼少期からなんて! ちょっと最近の出来事ではない感じが可笑しい (笑)。あの水炊き屋さんのシーン、凄く楽しかったなぁ。

森崎 面白かったですね。

田中 あのシーンが本番で初めてご一緒したシーンになります。

森崎 僕の撮影初日でした。“これはどういけばいいんだ‥‥?! ”と、滅茶苦茶緊張しました。でもワークショップをやって、監督と話せる期間もあったので、そのお陰で現場は意外とスムーズだったと思います。

田中 スムーズだったと思う。