――今後は「エンタメもアート系もやっていける人になりたい」ということですか。
「なりたい」と思えるようになりましたね。
――それは何故ですか?「山」とは言わないで下さいね (笑)。
でもその聞き方は「山」って言わせるためのフリではないですか (笑)。まぁ、何故でしょうね?もちろん前提として自分が好きなジャンルの映画はありますし、そういう映画に出演したいというのはあります。でもそうではない面白さだったり、その必要性みたいなものを経験していくと、肌で感じる部分もやっぱりあるので、そういうジャンルのところに行って、また映画に帰って来ると「やっぱり映画の現場っていいな」と思えたりもするんです。1つをずっとやっていたら多分飽きてしまうのではないかという気もします。飽きるというか、より自分は何が好きなのか、自分は何が得意で、何が不得意なのかも分かってくるので、それを改善したいと思っています。

――改善したい不得意なものとは何ですか。
不得意なところは、やっぱり沢山の人みたいなものですかね。沢山の人が苦手なので、得意になるとまでは言えませんが、慣れていきたいと思っています。それは沢山の人に向けた作品でもあるし、もちろん沢山人が居る場所でもあります。ニッチな映画(インディーズ映画やアート系映画)をやっている時、舞台挨拶に行ったらその人、1人、1人と僕は喋ることが出来るんです。時間があれば、1人、1人と喋って質疑応答もしたいです。ですが、そうは出来ないものもありますよね。その塩梅というか、自分の中での切り替え、メリハリみたいなものは学んでいかないと駄目だと思っています。
――丁寧なんですね。
丁寧というか。僕は脚本を描いて、監督をしたわけではありませんが、俳優として演じた側として「それが出来ないと駄目だろう」と思ってしまうんです。そういう心意気でやっています。
アート系映画からエンタメ映画までを行き来する俳優・寛一郎さん。持ち前の独特な存在感で多くの人を魅了し、映画やドラマにスパイスを効かせ、その人物も内面を探りたくなる演技をする俳優でもあります。そんな寛一郎さんが少し自分と似ていると言った本作のキャラクター。近づき過ぎると離れてしまいそうな危うげな青年が劇中魅力的に見えるのも、彼を理解している寛一郎さんだから成し得た愛すべきダメ男な気がしたのでした。だからこの映画が切なくもあり、人との出会いと別れを描きながら、愛を繋げる映画になっているんだと思いました。

フランスから来日したコリーは、日本における臓器移植への理解と移植手術の普及に尽力するが、西欧とは異なる死生観や倫理観の壁は厚く、医療現場の体制の改善や意識改革は困難で無力感や所在のなさに苛まれる。また、プライベートにおいても屋久島で知り合った迅と同棲を始めるが、お互いが使う時間のズレからくるコミュニケーションの問題に心を痛めていた。そんな中、心臓疾患を抱えながら入院していた少女・瞳の病状が急変するが‥‥。
監督・脚本・編集:河瀨直美
出演:ヴィッキー・クリープス、寛一郎、尾野真千子、北村一輝、永瀬正敏、中野翠咲、中村旺士郎、土屋陽翔、吉年羽響、山村憲之介、亀田佳明、光祈、林泰文、中川龍太郎、岡本玲、松尾翠、早織、小島聖、平原テツ、利重剛、中嶋朋子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© CINÉFRANCE STUDIOS – KUMIE INC – TARANTULA – VIKTORIA PRODUCTIONS – PIO&CO – PROD LAB – MARIGNAN FILMS – 2025
2026年2月6日(金) ロードショー
公式サイト maboroshi-movie
