ーー映画の中で伊藤万理華さん演じる【頼】と深川麻衣さん演じる【かな子】との間で、【山吹】が揺らぐシーンがあります。【山吹】が深川麻衣さん演じる【かな子】の方へ行ってしまう気持ちが「わからない」と仰っていましたが、その部分はどうやってクリアしていったのですか。
【山吹】と【かな子】の関係を僕は共依存だと思っていて、その部分が最初は分からなかったんです。彼は彼の家庭の中で幼少期からの呪いのようなものを抱えていて、【かな子】にも彼女なりの家庭への呪いがあって、それの脱着というか、脱着した中での共依存なんですよね。まぁ最初は初恋だったと思うんですけど。それが共依存になっていったんだと僕は思っています。そこから救ってくれたのが【頼】ちゃんだと思っています。【頼】ちゃんは幼少期の頃は取り繕っていたけれど、それを辞めてからの【山吹】に対するアプローチがストレートだったからこそ、【山吹】もストレートに対応することが出来るようになったんです。そうしていく中で【かな子】との共依存から抜けられるようになったのではないかと思っています。
ーーなるほど。そういうふうに言われて腑に落ちました。あの一瞬、私としては“えっ!? 山吹! ”って思ったんですもん。
僕も“なんでだよ!? ”と思いました (笑)。でも本当はあそこの後で、【山吹】はちゃんと色々なことが分かっていて、あの対応をしたんだと思っています。【かな子】に惹かれているからではないと僕は思うんですよ。




====ここから少し劇中の踏み込んだシーンでのネタバレです===========
ーー私は【山吹】の優しさからだと思いました。優しくありたいというか。
そうですね。【山吹】は「優しくならねばならない」という呪いがかかっている人だと思っています。元々は優しい人ではないというか、あそこまで極度の優しい人ではないと僕は思っています。あの優しさってほとんど嫌味じゃないですか?(笑)「過度の優しさ」っていうのは、僕はおかしいと思っていて、きっと“そうでないといけない”という責任感からくるものだと思っていました。だって【頼】との人生を決断した上で、【かな子】に行くことはないと僕は思っていて、だからこそ最後の決別の為の出会いであったのではないかと思っています。けれど、それでも【かな子】は抜けられなかった人だから「来てしまう」ということに繋がっていくんだと思っていました。
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