――目標を教えて下さい。
美絽:まだ経験も全然ないので「こういう役をやりたい」というのはないのですが、とにかく“色々な役に挑戦したい”という思いがあります。目の前のことに1つ1つちゃんと向き合えるような役者さんになっていきたいと思っています。でもそれは、この作品がきっかけです。現場の雰囲気とか、全部含めて凄く“いいな”と思いました。
池端:私も“これからも役者を続けたい”と思いました。今はまだ高校生なので、学生の役もやりたいと思いますし、運動が好きで中学校の頃はバトミントンをずっとやっていたので、部活に真っすぐに打ち込む青春物語みたいなものとかもやってみたいです。1つの作品に対してキャストやスタッフが沢山の情熱を注いで、“この作品を絶対にいいものにするぞ”という思いを現場で見ていて感じていました。その雰囲気が大好きなのでまだまだ味わいたいと思いました。
蒼戸:私は元々映画が凄く大好きなんです。この作品で好きな映画の世界の中に居られことが凄く嬉しくて、これからも色々な役に挑戦してみたいと思っています。普段からギターを弾いていて音楽も凄く好きなんです。『リンダ リンダ リンダ4K』(2005のデジタルリマスター版、上映:2025)をこないだ見に行って感動して、あんな形で音楽に関われるような青春モノにも出演してみたいです。

――『リンダ リンダ リンダ』観に行ったんですね、私も舞台挨拶で司会していましたよ。他にも何か最近のお気に入り映画はなにかありますか。
蒼戸:あ、その舞台挨拶付き上映を見ました ! (笑)。最近、観た中で凄く好きだったのは『ワン・バトル・アフター・アナザー』(2025)です。上映時間は3時間くらいになるのですが、凄くあっという間に感じる映画です。ちょっと笑えるところもあったり‥‥、最後の坂でのカーチェイスのシーンだけでもワクワクして興奮して…凄く衝撃を受けました。女優さんだと、シアーシャ・ローナンやセイディー・シンクが好きです。
美絽:最近観た映画は2本あって、1本は『リンダ リンダ リンダ 4K』をお勧めされて観ました。観て良かったし、ああいう青春がしたいと思いました (笑)。もう1本は『F1/エフワン』(2025) です。映画館に観に行って、熱くなる感じで、めちゃくちゃワクワクしました。
池端:私は『セッション』(2015) です。お仕事をご一緒した監督さんからお勧めして頂いて、家で観たんですけど、“最後、こういう終わり方するんだ!”と、その意外性にビックリしました。しかも途中も観ている自分も音楽に没入して、“この先どうなるんだろう?”と先が気になっていました。最後まで観た後に色々な人が書いている感想をネットで見に行ったのですが、色々な意見があって、共感出来る部分もあって、それらを理解したうえで“もう1回観たい”と思える映画でした。追及し続けていたらあそこまで行くのか、って感じでした。
――そうですよね。没頭しすぎることでの狂気、気を付けないといけないですね (笑)。
池端:はい、気を付けます (笑)。
無邪気な笑顔で語らう3人は、映画ではまた違った表情を魅せています。それがミステリアスで美しく、タイプの違う3人だからこそお互いの魅了を引き立て合っている点を考えると、優れたキャスティングだと感心してしまうのです。更に初演技の2人を含め、3人には時間をかけ読み合わせをしていたと聞くと、監督の撮影前からの準備での演出の手腕を感じる映画でした。純度が高く冷たい早朝の空気のような『白の花実』。才能の蕾が花開き出した瞬間を捉えた崇高ささえ感じたのでした。
美絽)ヘアメイク:外山友香 / スタイリスト:石川尚人[dust free production]
池端杏慈) ヘアメイク:伊藤絵理 / スタイリスト:石川尚人[dust free production]
蒼戸虹子)ヘアメイク:石川奈緒記 / スタイリスト:佐々木翔

周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花。しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは1冊の日記。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み。そして、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込み‥‥。杏菜は予想もつかない行動へと踏み出す。
監督·脚本·編集:坂本悠花里
出演:美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、河井青葉、岩瀬亮、山村崇子、永野宗典、田中佐季、伊藤歩、吉原光夫、門脇麦
配給:ビターズ・エンド
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
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