ーー映画に包まれる感覚を味わえる点でも、坂本悠花里監督が本当に素晴らしいと思いました。演出で印象に残っていることはありますか。
美絽:「呼吸を意識して、間を大事にして欲しい」とよく言われました。ダンスのシーンとかは特になんですが、「ここで息を吸う感じで」とか、とにかく呼吸について言われました。


蒼戸:私もダンスの時は目線や、呼吸を意識するように言われました。「そこにも【莉花】らしさ、【杏菜】らしさみたいなものが出るから」と監督から。例えば、【莉花】はダンスをする前に自分で息を整えます。そこで自分の空気を作るという時間があるんですけど、そこがたぶん【莉花】らしさなんじゃないかと思いました。
池端:これは3人の本読みの時に頂いた演出なのですが、「ほぼ棒読みで」と言われました。「フラットな状態で役になろうとしなくていいから、美絽さんは美絽さん、虹子さんは虹子さん、杏慈さんは杏慈さんのまま、そのままの状態で1回台詞を読んでみて下さい」という演出がありました。1回それを本読みでやった時は、そこから少しずつ色を足していく感じだったので、完成した作品を観た時は、“これで良かったんだ”と安心しました。あとは、間の取り方というか、「台詞はあるけど何でここに「・・・」があるのか?その理由を考えて欲しい」と言っていただきました。句読点について監督と話しました。


蒼戸:私と美絽は、撮影が始まる半年ぐらい前からダンスレッスンを含めてワークショップもしていたので、細かく監督と話す時間がありました。

