――前田さんは4歳から舞台に立ち、映像デビューもその頃、兄弟漫才 (コンビ名:まえだまえだ) は6歳からやっていました。子役から大人の俳優へ、その境目を実感するタイミングがあると思います。それは、どんな気持ちだったのですか。
僕は高校から東京に上京したのですが、そのきっかけが、中学2年生の時に「芸能活動はどうする?続けるのなら東京に出た方がいいと思うし、やめるのなら勉強をしてちゃんと受験をしいや」と両親から言われたことでした。“あ、そうか。自分の人生だ”みたいな感じでした。別に強制されてやっていたわけではないのですが、たまたま漫才をやっていたら世間に知っていただいて、その流れで中学校まで来ちゃったんで、仕事という意識はなかったんです。本当に習い事に近い感じでやっていたので、生業にするかどうかも、全部自分の選択なんやと初めて気づいたんです。最終的に自分の意志で「東京に出る。やっぱり楽しいし、続けたいから」と言った時からが、僕の役者人生かもしれないですね。

――仕事になるのか、副業になってしまうのか、境目がありますよね。そこはどうやって乗り切られたのですか。
高校の時とか、それこそそこまでいっぱい仕事があったわけではないので、めちゃくちゃ不安でした。とにかく不安で、“このまま仕事がなかったら浮浪者になるかも”と極端なことを考えていました。それでも“何とかなるか”と言い聞かせ、まだ大人でもなかったから“何とかなったらええな”という感じだったと思います。
――今の自分はどんな俳優だと思いますか。
本当に唯一無二の役者だと思います。嘘です(笑)。でも好きに働けています。幸せな役者人生だと思います。周りに恵まれているのもありますし、「仕事としてやる」と決めたわりには、そこまで仕事として捉えずにここまで来れているというか、本当に趣味の延長線上にまだいられているような楽しさもあって、それは幸せだなと思います。