ーー蒼井優さんご自身も“子どもたちと触れ合わないと”とか“子どもたちを安心させてあげたい”という思いがあったのですね、そう思うようになったのはいつ頃からですか。
子どもって何人かいると子ども同士で盛り上がってくれて、その流れで出来るけれど、やっぱり大人の中に1人で来るとどうしても緊張してしまいますよね。そうなるとカメラの前でも緊張しちゃう。大体の子どもはお母様と一緒に来られるので、緊張をほぐす為にまずはお母様と一緒に話すことから始めて、徐々に徐々に「じゃぁ、相撲とろう」と(笑)。
ーー何故、相撲なのですか(笑)
自然とぶつかり合うというか、抱き合えるから(笑)。ちょうどいいんです。

ーーなるほど。そうやって安心させてあげるのが一番良い演技に繋がるのですね。俳優をやっているとある年齢から【お母さん】役など演じる役が変わっていきますよね。それはご自身の中でも転機みたいな感じになるのですか。
【お母さん】役が出来るようになることは嬉しいです。それと同時に年代が少し上がって来たことを実感します。今は【お母さん】役を演じるお話を凄くいただくようになったので。今回のような型にはまっていない役は刺激的でした。俳優はどんな立場であっても人間であることを忘れずにカテゴライズされたキャラクターを演じるのではなく、役も血の通った人間であるということを忘れてはいけないんですよね。今回それを凄く感じて、勉強になりました。
ーーきっと、この映画はそれを描きたかったんですね。
そうだと思います。みんな、全然、完璧じゃない。大人達も子ども達もみんな変。みんな変でそれでいい。その中で命のキラメキみたいなものがあることを演じながら感じていました。
ーー今まで色々な役を演じられてきましたが、今の時点でご自身が好きな役、又は面白いと感じる役を教えて下さい。
私は何でも面白いので‥‥、何でも「面白い」と思いながら演じていますけど、なんですかね。声優のお仕事に関しては男の子になれたり、空が飛べたりするじゃないですか。そういう実写だと出来なかったり、空を飛べるにしてもハーネスを着けたりと大変なものが、すぐに違う世界に行けるという意味では特に面白いかもしれないですね。声優のお仕事をさせていただくと、ビジュアルが合わなくて実写だとお話をいただけない役でも声が合えば何とかなるので、そういう役に挑戦させていただけることが声優業をやらせていただいて、“凄く嬉しいな”と思うことです。本当に実写の役で言ったら、何を演じても楽しいです。
