ーー後半の会議室のシーンなんて、怖かったです。瀧内公美さんが演じるお母さん【三宅冬】みたいな方って居ますよね。
それにもう1人の浅野千鶴さんが演じられたようなタイプのお母さんも居ますよね(笑)。カメラの位置を変えて何回も何回も撮影して、最終的に子ども達は終了時間になったので帰ってしまったのですが、その後の撮影で瀧内さんはずっと空っぽの椅子に向かって怒っていました。それが凄く面白かったです(笑)。
ーーあのシーンは秀逸でした。子ども達の反応はどうでしたか。
それまでは伸び伸びとやっていたのですが、その時ばかりはみんな静かでした。“今日は決勝戦だぞ”みたいな感じがあったのか(笑)?【三宅心愛】役の瑠璃ちゃんもちょっと緊張している感じもあったし、そのドキドキを感じつつ、大人たちは普通にお話をしていました(笑)。

ーー菅野プロデューサーいわく、あのシーンを撮り終えた子ども達はやり切った感があったようで3人仲良く帰って行ったそうですね。大物なのかも。
私がお芝居を始めた頃とは全然違います。本当に皆、慣れていますね(笑)。
ーー『リリイ・シュシュのすべて』(2001)は「あの頃は、楽しくて現場で自由に遊んでいた」と市原隼人さんから聞きました。
そうですね。私たち何も分かっていなかったので、だから「ここ決めなきゃ!」というのもなかったんです。たまに怒られたりもしていましたね(笑)。最近の子ども達は、伸び伸びとしていてしっかりしているので凄いと思っています。
ーー子どもたちとの現場で大事にしていることはなんですか。
コミュニケーションを沢山とることですね。とにかくコミュニケーションを取る。そして子ども達と触れ合う。それが苦手そうな子にはしませんが、大丈夫そうだったら「相撲をとろう」と言ってみたりします(笑)。でも今回の鉄太くんはコミュニケーションを取る必要がないくらい、あっちから来てくれる子でした。鉄太くんは本当にマイペースにどんどんと人と喋れる子なので、何の心配もなかったです。こっちが助けられましたね(笑)。





