――気持ちの切り替えはどうされているのですか。
地方に行くとずっと役の気持ちのままだったりします。そこで共演者の方とお話をすることもあるし、パッと切り替えられることはあまりない気がします。でも一時期ハマっていたのは、シーンが終わってちょっと感情がたかぶって気持ちの整理がつかなくなった時は、ドライフルーツとかを食べることです。実はこの方法は、『国宝』の撮影の時に、共演した(渡辺)謙さんにミックスナッツを頂いた時に見つけました。それが自分には合うみたいで、撮影が終わったらドライフルーツとか食べて“美味しいな”って思って家に帰ることはしています。
――1ヶ月前に『国宝』の皆さんをインタビューした際、渡辺謙さんも黒川くんのことを褒めていました。
恐れ多いです。

――『国宝』に出演していた横浜流星さんの『正体』(2024) もご覧になったりと、いろいろな映画を観られているそうですね。
はい、でも『国宝』を観た後はちょっと観ることが出来ていないのですが、友達や同年代の役者さんからも「この映画、面白いよ」「この映画いいよ」といろいろな映画を薦めてもらったり、教えてもらったりして観ています。その度に“本当に映画って凄いな”って思いますし、映画は大好きです。
――今の時点でどんな大人になっていきたいとかありますか。
とにかく“舘さんみたいな優しい人になりたい”と思っています。誰にでも優しく、かっこいい人になりたいと思っているのですが、“なかなか簡単にはなれないな”って思っています(笑)。だけど、いつかかっこいい大人になりたいです(笑)。
「自分自身のことは自分が一番分からない」と語った黒川想矢さんは、テレビドラマ「剣樹抄~光圀公と俺」で舘ひろしさんと共演した際に「事務所に入れて下さい」と舘さんに直談判し、2022年に「舘プロ」に12歳で所属。そこから是枝裕和監督の『怪物』で注目され、今年公開中の大ヒット作『国宝』で話題の人にもなっています。宇宙工学に興味があり、今は未来をハッキリとは決めていないと語る黒川さんは、役によりまったく違う顔になり、スクリーンで存在感を放つ姿に目が離せない俳優なのでした。

2020年、コロナ禍で青春期を奪われた高校生たち。茨城の亜紗や凛久は、失われた夏を取り戻すため「スターキャッチコンテスト」開催を決意する。東京では孤独な中学生・真宙が、同級生の天音に巻き込まれその大会に関わることに。長崎・五島では実家の観光業に苦悩する円華が、新たな出会いを通じて空を見上げる。手作り望遠鏡で星を探す全国の学生たちが、オンライン上で画面越しに繋がり、夜空に交差した彼らの思いは、奇跡の光景をキャッチする。
監督:山元環
原作:辻村深月「この夏の星を見る」(KADOKAWA)
出演:桜田ひより、水沢林太郎、黒川想矢、中野有紗、早瀬憩、星乃あんな、河村花、和田庵、萩原護、秋谷郁甫、増井湖々、安達木乃、蒼井旬、中原果南、工藤遥、 小林涼子、上川周作、朝倉あき、堀田茜、近藤芳正、岡部たかし
配給:東映
©2025「この夏の星を見る」製作委員会
2025年7月4日(金) 全国公開
公式サイト konohoshi-movie
