――以前マーティン・スコセッシ監督も同じことを仰っていました。「俳優の意見をどんどん取り入れたい」と。
この間、撮影していた「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」で主演のカート・ラッセルに対して「SHOGUN 将軍」でも共演したアンナ・サワイが「出来ない」と伝えたんです(笑)。それを目の前で見て、とても驚きました。日本だと新人にそんなことを言われた大御所俳優は怒ると思うんです。でもカート・ラッセルはちゃんと彼女の話を聞いて、ディスカッションしてお互いの折り合いをつけたんです。その様子を見て本当に凄いと思いました。俳優同士が対等なんです。
――「SHOGUN 将軍」を観て思いました。真田広之さんや平岳大さんのように日本からハリウッドに行った人たちが、今後も日本人の俳優たちがハリウッドで仕事が出来るように間口を広げようとしているのではないかと。平さんは今の立場で何かしていきたいことなど、展望はありますか。
正直に言うと「若い人の為に」とか言うのはおこがましいというか‥‥。ただ僕が頑張ることで観た人を勇気づけたり、結果的に道を広げることが出来るのであればいいなとは思っています。1つの例を作るではありませんが、それが出来たらいいですね。けれどハリウッド(アメリカ)に行くことを若い人に勧めるのはちょっと違うとは思っています。アメリカでやっていくのは結構大変ですから。英語をちゃんと勉強して、さらに英語で演技をするには時間がかかります。良い部分、成功したところだけを見せるというのは、間違いだと思います。それぞれがトライして、失敗して選んでいくことだと僕は思います。

――「SHOGUN 将軍」で日本語での演技が世界に認められたと思いました。この評価によって、日本人を始めとするアジア人の俳優の評価が少し変わっていくのでしょうか。
どうでしょうね。ただ決してマイナスにはならないと思います。「SHOGUN 将軍」は日本語の台詞ですがアメリカ製作の作品です。完全な日本製作の日本語の作品がアメリカで評価されたら、また違ってくるのではと思ってはいます。
海外作品に出演オファーがある平岳大さんでも、「いつまでも出られ続けるとは限らない」と言うほど世界を相手にするハリウッドの山は高いのだと痛感したインタビュー。どんなメジャー作品に出ようとも、作品が評価されようとも、奢らずにストイックに演技を研究し続ける。そんな姿が多くの人に感動を生む演技としてスクリーンに映し出されているんだと実感する今回のインタビュー。「『スター・ウォーズ』ももちろん観ていたからハリソン・フォードと共演出来るなんて興奮せずにはいられなかった」と語る平さんの未来が更に輝くことをいち映画ファンとしても願っています。

「エンドゲーム」でサノスを相手にアベンジャーズを“アッセンブル”した初代キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースから最も信頼され、盾を託されたヒーローのファルコンことサム・ウィルソン。正式にキャプテン・アメリカを受け継いだサムが、誰が味方で敵かさえもわからない裏だらけの陰謀と、壮大でミステリアスな戦いに巻き込まれていく。
監督:ジュリアス・オナー
出演:アンソニー・マッキー、ダニー・ラミレス、リヴ・タイラー、ジャンカルロ・エスポジート、ハリソン・フォード、平岳大 他
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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