Feb 14, 2025 interview

平岳大インタビュー ハリソン・フォードと共演出来るなんて興奮せずにはいられなかった『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』

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――日本の現場も経験されて、海外の人たちとも仕事をされています。海外の人たちと一緒に仕事をされて、やり方などで学ぶべき、もしくはここは改善すべきことはありますか。

ケースバイケースですが、マーベルの場合は規模が大きいからこだわりも強いですが、アメリカの一般的な作品の場合、あまり台詞にはこだわらないんです。現場で「こういう言い方もある」「こちらの方が良いのではないか」という感じで台詞がどんどん変わっていくんです。日本の場合だと出来上がった台本を一字一句、語尾なども変えないようにしなければいけないケースも時にあります。役者にも自分の感性があり、自分ならではの喋り方があるので、台詞に縛られてしまうととって付けたような芝居になってしまうような気がしていました。そういう部分ではアメリカのやり方のように現場でディスカッションしながら変えていくスタイルは良いと思いますし、そこまで台詞にこだわらない方が演技にも良い結果を生むのではとも思います。

――今、平さんはハワイを拠点に、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(2021)『グランツーリスモ』(2023)を始め、様々な映画やドラマで世界の人たちと仕事をされています。そのうえで大切にしていることを教えて下さい。

「次があるか」と聞かれたらそんな保証は何もありません。プロフェッショナルというか、「その役を100%、120%で演じよう」と思っていることは日本でもアメリカでも同じです。自分が出来ることを口にする。思いを伝えることは大切です。僕は昭和世代なので、話を聞いてしまう方なのですが、自分が思ったことはガンガンと言っていかないといけないと思っています。アメリカでは言わないとやる気がないと思われてしまいます。全部を受けとめてしまう良い子では駄目だと思うんです。こちらから言っていかないと「やる気がないの?やりたくないの?」と思われてしまうんです。

――本作ではアイデアを出されたのですか。

実はアイデアを出したものの、共演したハリソン・フォード先生から「こっちでいい」と言われてしまいました(笑)。もちろんハリソン・フォードと共演できるなんて光栄でしたし、話し合えて嬉しかったです。だけど現場では、アイデアがなんでも通るか、通らないかではないんですよね。エゴのぶつかり合いでもなく、何かを作る時のプロセスは自分の考えを伝えるなど能動的でないといけないというのが、アメリカの考えです。