Feb 04, 2025 interview

いとうまい子インタビュー 映画で描かれているような日が来ればいいのに‥‥声優初挑戦の『野生の島のロズ』

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――『ターミネーター』(1984)のように、ロボット対人間という形で描かれることが多いですよね。今はAIと人間という話も多く作られています。でも、この映画を観た時、対立ではなくロボットとの共存が描かれていて、ロボットはこうやって人間をサポートし、動物とも共存することが出来るということさえ感じていました。いとうさんはロボットを研究されているからこその感じ方があったのではないですか。

私たちが作っている現代のロボットは、映画で描かれるような自然界と人間界で共存できるほどの心を持っていないんです。ですから“本当に映画で描かれているような日が来ればいいのにな”と凄く感じます。今はそこまでたどり着けていないのですが、これからもっともっとロボットも更に進化を遂げて、人に寄り添っていくロボットが出来ていくと思います。単なるテクノロジーではなく、もっと親しい、心に寄り添ってくるようなものがやって来るのではないかと思っています。

この映画を観てくれた子ども達もそうですが、彼らは生まれた時からロボットと共に暮らしています。私たちが考えていることは「ロボットってどうやって作るんだろう」なんです。でも、今の子ども達は既にあるロボットを「もっともっと人に近づける為にはどうしたらいいんだろう?」という考え方にシフトしていくのではないかと思っています。これから20年、30年、私たちとは全然違うところで、どんどん進化していくと思います。

――この映画でロボットがどんどん進化し、新しいことを学んでいく姿を見ながら“出来ないことはないのではないか?”という思いになりました。この映画に登場するロズが育てる雁の【キラリ】も翼が小さいから「飛ぶことが下手だ」と皆に言われていましたがそんなことはない。チャレンジすることの大切さを描いていたと思います。

そうですね。諦めたらそれで失敗で終わってしまうけれども、諦めないで続けていけば成功するし、必ず実現していくことを教えてくれる映画だと思います。

――いとうさんも45歳で大学へ行かれました。私だったら諦めがちなことを実行されています。大学に行こうと決められた時、不安はありませんでしたか。

私は大学に行ったことがなかったんです。もし大学に行っていたら「もう行かなくてもいいかな?」と思う日が来ていたかもしれません。でも、行ったことがなかったので、生まれて初めて入る大学なので“楽しまないと損”という感じでした。