――ポスターにサインは書いて貰ったんですか。
若葉 書いて貰ってないです。でもTシャツも持っていて、『アイデン&ティティ』のTシャツにはサインを頂きました。
田口 実は渡した『アイデン&ティティ』のポスターの中に『鉄男』(1989)のポスターもスルっと入れて渡したんですよ(笑)。
若葉 入っていました(笑)。大好きな映画なので嬉しかったです。
――田口トモロヲさん監督作の『アイデン&ティティ』と主演作の『鉄男』、カルト的な匂いがして良い感じですね。
若葉 自宅には、ゼロ年代の映画や好きなものだけを集めた部屋があるんですけど、その部屋に全部入ってます(笑)。
――他にはどんな作品のポスターがあるのですか。
若葉 『ジョゼと虎と魚たち』(2003)や『青い春』(2001)などゼロ年代を代表するような映画のポスターがあります。
公開当時、僕が自転車で観に行っていた映画のポスターを買い戻している感じで、圧倒的に邦画作品が多いです。あとは韓国映画の『オアシス』(2002)や『シークレット・サンシャイン』(2007)とかです。
田口 イ・チャンドン監督の名作ですね。
――現場でも若葉さんは静かに佇んでいて、あまり皆さんとはお話されなかったのですか。
若葉 普通に話しますけど、あまり大騒ぎすることはなかったです(笑)。
――火祭りと「ありがっさま」とみんなで祝うシーンは大騒ぎでしたね。「ありがっさま」のシーンはアドリブもあったのですか。
若葉 確か無かったと思います。
田口 実際に撮影地近辺にお住みのエキストラさん達も参加してくれての撮影でした。今の方は皆さん、物怖じしないし、カメラが回っていてもお芝居というか、ご自身のままとうか、自然と存在されているんです。エキストラさん達を見ていると僕も勉強になります。演技というものについて考えさせられますね。エキストラさん達は、ある意味存在のプロですね。演技に答えはありませんから刺激になります。
――火祭りのシーンは熱気が凄かったです。お2人は花火のシーンで花火の筒を持つというチャレンジをされていますがいかがでしたか。
若葉 全然熱くはなかったです。ただ、とてつもなく重たかったことは覚えています。一番大きな筒を持っていたんですが、それがとにかく重かった。撮影は一昨年ぐらいだったので記憶が曖昧な部分もありますが、めちゃくちゃ寒かったんです。でも現場にはストーブが2つくらいしかなくて、エキストラさん達もそこで温まっていたので、割り込んでいくことも出来ないし、とにかく早く撮影が終わることを願っていました(笑)。本当に寒かった、しかも薄着だったんです。
田口 本当にそうだったね(笑)。祭りのシーンだったから、あまり着込むことが出来なくて、薄着での撮影でした。