Dec 13, 2024 interview

芦田愛菜 × 阿部サダヲ インタビュー 人間パートだけでなく細胞パートも感動を呼び、心が動かされる『はたらく細胞』

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――この仕事を続けられた要因はなんですか。

阿部:“もっとこうすれば良かった。次はこうしよう”と思えるからだと思います。“このシーン、もう少しこうすれば良かった”と考えないことはないかもしれません。“次はこんなアプローチをしよう”といつも考えています。いつも同じような役ばかりを演じることもないですし、色々な役をやらせてもらっているので。今回のようにお互いに年を重ねたら、また違った親子関係を演じることも出来ますし。

芦田:自分の出演作品を観て“もう少しこうすれば良かった”と反省する部分は結構あります。その失敗を糧に“もう一度頑張ろう”と思う部分もあります。それでも、挫けそうになった時は「自分はお芝居が好きだ」「作品作りをすることが楽しい、好きなんだ」という原点みたいな気持ちを忘れないようにしようと思っています。その気持ちを思い出せばまた“頑張ろう”という気持ちになるので。

――お2人ともお芝居に対する探求心があるのですね。

阿部:お芝居は楽しいです。

芦田:皆で1つの作品を作り上げていくのは楽しいです。

阿部:ちなみにさ、愛菜ちゃんは脚本を書いたりしないの?

芦田:いやいや、それはもう。読む専門です。

阿部:最近の若い子は脚本を書いたり、監督したりするから、愛菜ちゃんもいずれはと思ったんだけど。

芦田:難しそうですよね。

阿部:僕は監督を絶対したくないんです。

芦田:そうなんですか‥‥?!私もいち俳優の方が向いていると思っています。

阿部:そうだよね。監督の話が来ても断ろう!

一同:(笑)

――また機会があれば、共演されるかもしれないですし楽しみですね。

芦田:もしかしたら阿部さんの気が変わって監督されているかもしれませんし(笑)。

その時は呼んで下さい。

阿部:いや、やらない。もし監督していたら「嘘つき」と言っていいよ(笑)。

今年は多くの作品でお会いしていた阿部サダヲさん。お忙しい中、映画館にはよく行くそうで最近、良かったのは『Cloud クラウド』(2024)と言っていました。「菅田くん主演で、(荒川)良々や赤堀(雅秋)さんも出ているしね、良かったなぁ」とのこと。そんな阿部さんと「マルモのおきて」以来の共演を果たした芦田愛菜さん。安定の圧巻の演技力で、私たち観客を深い感情の世界へと誘ってくれるのです。オールスターキャストにより、人間の世界と細菌の世界。このキャストでしか到達し得なかったアクションあり、笑あり、涙ありで、身体を大切に思う気持ちが膨らむ作品ですよ。

取材・文 / 伊藤さとり
撮影 / 岸 豊

作品情報
映画『はたらく細胞』

高校生・漆崎日胡は、父親の茂と2人暮らし。まじめな性格で健康的な生活習慣の日胡の体内の細胞たちは、いつも楽しくはたらいている。一方、不規則不摂生に日々を過ごす茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちがいつも文句を言っている。親子でも体の中はえらい違いだった。仲良し親子のにぎやかな日常。しかし、その体内への侵入を狙う病原体たちが動き始める。漆崎親子の未来をかけた、細胞たちの「体内史上最大の戦い」が幕を開ける。

監督:武内英樹

原作:清水茜「はたらく細胞」(講談社「月刊少年シリウス」所載)
原田重光・初嘉屋一生・清水茜「はたらく細胞BLACK」(講談社「モーニング」所載)

出演:永野芽郁、佐藤健、芦田愛菜、阿部サダヲ

配給:ワーナー・ブラザース映画

©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会

公開中

公式サイト saibou-movie

伊藤 さとり

映画パーソナリティ
年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。 映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。 自身が企画の映画番組、俳優や監督を招いての対談番組を多数持つ。 映画コメンテーターとしてCX「めざまし8」、TBSテレビ「ひるおび」での レギュラー映画解説をはじめ、TVやラジオ、WEB番組で映画紹介枠に解説 で呼ばれることも多々。 雑誌やWEBで映画評論、パンフレット寄稿、映画賞審査員、 女性監督にスポットを当てる映画賞の立ち上げもおこなっている。 著書「2分で距離を縮める魔法の話術」(ワニブックス)。 2022年12月16日には最新刊「映画のセリフでこころをチャージ 愛の告白100選」 (KADOKAWA)が発売 。
伊藤さとり公式HP: https://itosatori.net