Jul 21, 2017 interview

石井杏奈インタビュー「言葉にできていない気持ちが、たくさんあることに気づいたんです」

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社会現象にもなった劇場版オリジナルアニメ『心が叫びたがってるんだ。』が、ついに実写映画化! 過去に自分の一言で元恋人である<拓実>を傷つけてしまった優等生、<菜月>を演じた石井杏奈に、映画のエピソードだけでなく、「本当のクラスメイトのようだった」と語る撮影現場の雰囲気、好みの男性のタイプまでたっぷりと話してもらった。

 

いいと思ったことをすぐに行動に移せる菜月を尊敬するし、羨ましい

 

──撮影に入る前に、原作のアニメ映画はご覧になっていましたか?

見ていませんでした。でも、原作があるなら、見た方がいいのか迷っていたんです。そのことを監督に相談したら、「映画は原作とは違う、別作品にしたいから、アニメは見ずに、台本から石井杏奈が読み取ったことを表現してほしい」と言っていただいたんです。

──そうだったんですね。最初に台本を読んだ感想はいかがでしたか?

すごく素敵なお話だと思いました。登場人物が私と同世代ということもあり、「言葉にできていない気持ちって、本当にたくさんあるな」ということをあらためて気づかせてくれたんです。

 

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──石井さんが演じる<菜月>と重なる部分はありましたか?

<菜月>は正義感が強くて、とっても“いい子”。さらに、京ちゃん(芳根京子)が演じる<順>に毎日話しかけて、言葉を引き出そうとしているんです。これは、やろうと思っていてもなかなか続けられないこと。自分が決めたことに対して責任を持ち、素直に行動ができるところは凄いなと思いました。私は思っていても、行動に移せることは少ないので、<菜月>が羨ましいし、尊敬します。

──<菜月>は、好きな人への想いがとても一途ですよね。

そうなんですよね。でもきっと、ここまでずっと1人を想い続けられたのは、過去にその人を傷つけてしまった罪悪感もありつつ、学級委員をしたり、<順>のことが気にかかっていたりと、他の人を好きになる余裕もなかったのかなって思うんです。とはいえ、ここまで一途に思えるのは素敵ですよね。私も、そうありたいと思いました。

 

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──今作では、様々な印象的なシーンがありますが、石井さんの思い入れが強いシーンを教えてください。

ミュージカルのシーンは大変な分、すごく楽しかったです。実は、撮影が始まる1か月前から生徒役の皆さんと一緒にワークショップをして、ダンスの練習をしていたんです。でも、よりよいものを作るためには、直前の振りつけの変更も多かったんです。その都度、みんなが臨機応変に対応していたんです。

──それは、ダンス経験のない人たちにとってはすごく大変なことですよね。

そうなんです。それでも、本番はしっかりとこなしているみなさんを見てすごいなと思っていました。でもあるとき、ダンス経験のないみんなが休憩時間に自主練をしていたり、近くの公園で何度も練習をしているというのを聞いて、陰の努力を知ったんです。それからは、私ももっと頑張らなくちゃって思えました。撮影が終わった後は、みんなでハイタッチをして、今までにない感動を味わいました。

 

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──共演したみなさんと、すごくいい関係を築けたんですね。

そうですね。撮影はすごく楽しかったです。実は、顔合わせの時から、話しやすい方ばかりだったのですぐに仲良くなれたんですよ。その日はポスター撮影だったのですが、すでに中島(健人)さんが寛一郎くんをいじっていて、私と京ちゃんが楽しく話しているという、立ち位置が決まっていたんです(笑)。雨で何時間も撮影が中断されたときも、4人でずっと話していたり、指をつかったゲームをしたりと、本当のクラスメイトのようでした。

 

いまは“中島さん語録”への正しい対応を勉強しています(笑)

 

──主演の中島さんの印象を教えてください。

中島さんは、音楽とお芝居、両方でお仕事をされているので、どんな方なのだろうと思っていたんです。実際にお会いしてみたら、お仕事のプロというよりも、“人間のプロ”でした。どこまでも気さくで、完璧で、体調が悪くても、それを隠して座長らしく振る舞っていたんです。その姿を見て、中島さんのような方が“人間のプロ”なんだと思ったんです。とはいえ、そういった真面目な面もありつつ、ふざけたり、面白いことをいって現場を盛り上げてくれるところも「すごいな」と思いました。

 

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──どんな面白いことを言っていたんですか?

中島さんが、現場で「セクシーサンキュー」と返している姿を見て、笑ってしまったんです。でも、中島さんは「笑うんじゃなくて、“キャー”という所だよ」と教えてくれたんです(笑)。それからは「ここは“キャー”っていう所かな」「ここは素直に笑っていいのか」と、“中島さん語録”の対応を勉強しています(笑)。