ナチュラル・ボーン・イケメンの立ち振る舞いとは
──それでは草川さん自身が、自ら演じた美丘千秋と似ていると思う部分は?
草川 千秋はいつも愛犬のショコラを連れているんですけど、動物が好きなところは一番似ていますね。いつか飼うならショコラと同じトイプードルがいいなと思っていたので、共演できたのはうれしかったです。最初はなかなか懐いてもらえなかったんですけど、シーンを重ねるたびに息が合って来た感覚がありました。あとは、自分で言うのは恥ずかしいけど、女性に紳士的に接する千秋の姿勢は、僕も心がけているところでもあります。あそこまで極端ではないですけど。
──杉野さんから見て、草川さんに千秋っぽさを感じることはありました?
杉野 千秋って、マンガに出てくるようなキャラクターで、動きやセリフも現実離れしているんだけど、拓弥くんが演じているとめちゃくちゃナチュラルなんですよね。あれが拓弥くんの素なのかなって思っちゃうくらいだけど(笑)。現場でもよくマネージャーさんと、例えば僕に千秋役でお話をいただいたとしても、絶対に演じるのは無理だったよね、なんて話していたくらい拓弥くんの千秋は完璧でした。ターンしたり、ひざまずいたり、ウィンクしたり、王子様っぽいリアクションもすごい自然で。練習したの?
草川 練習というか、千秋っていうキャラクターはかっこいいだけじゃなくて、ちょっとコミカルな感じも持っていると思ったから、そういう立ち居振る舞いやアクションを付けたら現実離れして面白いんじゃないかと思って、監督に自分から提案したんだよ。
杉野 そうだったんだ!
草川 普段はできないような動きやセリフが言えるから、演じている間ずっと楽しくて。いつもは自分から監督にそういう相談をするタイプじゃないんだけど、今回はより千秋に近づきたくて色々と試行錯誤した気がする。せとかを巡って争う男性キャラクターが何人もいるから、差別化したいなっていう気持ちも強くて。
杉野 僕も、キャラクターの差別化というのは特に気にしていたことかもしれない。ジェットコースターみたいに次から次へと展開があって、目まぐるしく進むストーリーだからこそ、国光が安らぎポイントになれればいいな、と。僕は最初、国光のことが掴みきれなくて。リハーサルを進める中で、監督から少しずつもらうヒントを元に、国光というキャラを肉付けしていったイメージです。
──杉野さんは、自分自身が国光に似ていると感じたことは?
杉野 無駄な動きが多いところ(笑)。僕、別の作品でイケメンの役を演じる機会があって、そのときに、イケメンの人の所作や仕草を研究したことがあるんですけど、イケメンって動きに無駄がないんですよ。現場で観ていても、片寄くんも千葉くんも拓弥くんも、それが自然に出来ているからナチュラル・ボーン・イケメンなんだなって。
草川 そんなこと初めて言われたよ(笑)。
杉野 みんなの動きや立ち居振る舞いを見て、すごく刺激を受けたし、勉強になりました。
草川 今回は遥亮と一緒のシーンがなかったんですよ。だから、もしまた共演できる機会があったら、がっつり一緒に芝居がしたいですね。
杉野 僕と拓弥くんって全然タイプが違うから、三角関係の恋愛ストーリーとかだとおもしろそうじゃない?
──ぜひ観てみたいです! 最後に、この映画を楽しみに待っている方へメッセージをお願いいたします。
草川 観ている人がせとかになった気持ちで、ドキドキしたり、キュンとしたりできます! ラブストーリーなんだけど、コメディ要素もあれば、泣ける場面もあって。次から次へと感情の波が押し寄せてくる映画です。僕個人としても、今までにない役柄にチャレンジさせてもらったので、今までの草川拓弥とも、超特急のタクヤとも違う、新しい一面を見てもらえると思います。
杉野 タイプの違うキャラクターが次から次へと出てくるので、最初はお兄に、次は千秋さんに、やっぱり高嶺さんに、と観ている間にたくさんのドキドキが味わえると思います。誰の視点に立って観るかによっても、感じ方が全然変わってくるだろうし。それぞれのキャラを攻略する感覚で楽しむのもオススメ。一番難しそうな高嶺さんを落とすにはどうしたらいいかなってあれこれ想像したりして。ちなみに国光は一番ハードルが低いと思うので、すぐにコロッといきそうです。
草川 それはたしかにそうかもしれないね(笑)。