橋本環奈 × 新木優子インタビュー 『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』誰も真似できないくらい画が強いヒロインたち
童話の世界で起きる事件を、旅の途中の赤ずきんが探偵役となり解決していくーー老若男女から支持を得ている、シリーズ累計33万部超えの小説「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」を、「勇者ヨシヒコ」シリーズ、「今日から俺は‼」シリーズで知られるコメディのヒットメーカー・福田雄一が実写映画化。2023年9月14日(木)よりNetflixにて全世界独占配信される。
主人公の、知的で辛口な名探偵・赤ずきん役に橋本環奈。美しく影のあるシンデレラ役に新木優子。国中の女性の憧れである王子様役には岩田剛典。さらに福田組おなじみのムロツヨシ、佐藤二朗といった面々に加え、桐谷美玲、夏菜、若月佑美、山本美月、キムラ緑子、真矢ミキ等の人気俳優がNetflixと福田の初タッグ作品を彩る。
赤ずきんとシンデレラという誰もが知るヒロインを演じた、橋本さん、新木さんに、初共演となるお互いの印象、福田組の現場の雰囲気、そして”童話×本格ミステリー×コメディー”の世界観をうかがいました。
初めてなのに”そのまま”でいられる関係性
ーー最初に原作・脚本を読んだときの率直な感想をお聞かせください。
橋本 私はもともと原作がすごく好きで読んでいました。皆さんが知っているグリム童話から想像を膨らませて、赤ずきんは赤ずきんとして、シンデレラはシンデレラとしてのストーリーがあるのに、本当にこんな物語がグリム童話の世界にあったんじゃないか?というようなエピソードばっかりで、それがすごく面白くて引き込まれました。
福田さんの脚本って本当に面白くて、「あっ、これは二朗さんだとか。これはムロさんだな」とか、脚本のセリフで想像できるわけですよ。
そういう面白さがあって、早く撮影したいなと思っていました。
ーー新木さんはいかがでしたか?
新木 すごく斬新でしたね。私自身も視聴者として早く作品が見たいって思うような、そんな台本でした。最初は誰もが知っている童話の中に、どうやってミステリーを?と思いましたが、原作はオムニバス調になっていて、面白くあっという間に読めました。
そのなかのシンデレラと赤ずきんのストーリーを2時間の映画にするって、どうなるんだろう?と思ったんですけど、台本を読んだら、確かにこれは2時間かけて描くぐらい濃密なミステリーなんだなと感じました。
まさか赤ずきんとシンデレラが一緒に共演する日が来るなんて。私の中で本当に夢の共演で、想像したら、頭の中にワーっとイメージが広がってきて、誰もが見たくなるような2人だなって思いました。
彼女たち以外誰も真似できないヒロイン
ーー本編の衣装・ドレスも素晴らしかったですね。ウィッグを含め何度もチェックを重ねたとうかがいました。
新木 あのドレスは、結構衣装合わせや採寸をしましたね。
橋本 最初にドレス姿を見たときに「マジで優子ちゃん以外、誰がシンデレラできるねん!」って思うぐらいぴったりで。
ーー本編では灰色のシンデレラからの変化がすごかったですよね。
橋本 ストーリー的に、”みんなに見られるくらい目立つ絶世の美女”っていう説得力がないと、舞踏会のシーンは難しいなって思っていたんです。わざわざ赤ずきんが「何言ってんの、あなたがかわいいからみんな見てるんだよ」みたいなことを言わなくても、見た目で説明できるっていうのはすごいなと思いましたね。画が強い。
新木 (照)。
橋本 だから、なんか舞踏会が終わってドレスからボロボロの衣装に戻ったときに、「あぁぁ‥‥物語とはいえそのままでいてくれー」って思っちゃいました(笑)。
新木 私も全く同じことをカンカンにも思っていて。冒頭のシーンで絵本から実写に変わってカンカンが出てきた瞬間、「もう赤ずきんやん!」って。
橋本 (笑)。
ーー絵本から赤ずきんが出てきたぞ、と。
新木 カンカンの赤ずきん、めっちゃかわいい!もう最初の登場の画で、この作品が素敵な作品だと確信できるくらいでした。
ファンタジーな福田組の笑いの相乗効果
ーー橋本さんは、福田組に何度も参加されていますが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
橋本 今回も、楽しかったです。笑いが絶えないというか、すごく和やかな空気感で、(佐藤)二朗さんがいると、テストのときから笑わせてくれたりもするし(笑)。
ーー新木さんは初めて福田組に参加されたんですよね?
新木 初めてです。福田組の中にいるだけで、なんかファンタジーの世界にいるような気分でした。
橋本 (笑)。
新木 本当に楽しくって、出演されている皆さん、それぞれ個性が豊かですし。撮影自体がおとぎ話だったのでは?っていうくらいでした。
橋本 豊かすぎましたね(笑)。
新木 いま作品を改めて見直してもすごいなって思います(笑)。前室には、もっといろんな方々がいらっしゃって、本当に面白くて、ただただ楽しい撮影でした。
ーー確かに改めてキャストの皆さんを見るとすごい個性豊かですよね。
新木 橋本 ねぇーー。
橋本 みんなが相乗効果で”笑わせてやろう”みたいな空気感がありましたね。特に感じたのが真矢ミキさん。本編で使われていない真矢さんのアドリブがめちゃくちゃ面白くて、メイキングで使われていたらすごく嬉しいな。
新木 あれはホントに面白かった〜。
ーー舞踏会のシーンのセリフとか、真矢さんがそれ言うのはずるいなと思いましたね。
橋本 そうそう、ずるい (笑)。しかもそれの前には「諦めないで!」って言ってました、実際に(笑)。すごいですよ、笑いに変えて。
ーーあのシーンは指示があったわけではないんですか?
橋本 一応指示はあるんですけど、真矢さんのバイタリティがすごくて。テストの時点で真矢さんが面白すぎて、相手役の女の子たちみんなが「真矢さんに負けちゃってる」って言ってました。
新木 そうなんだ。
橋本 そうそう。それで、もっともっとみたいな空気になって、「年増!」って言われた後に「小娘!」みたいな言い返し方になって。
新木 相乗効果だ。
橋本 本当に面白かったです。
ーー監督から演技について具体的な指示はありましたか?
新木 カンカンは、目を見開くシーンがすごく多くて、変顔のシーンでは福田さんの”カンカン愛”をすごく感じました。
橋本 (笑)。
新木 監督が「なんかいいよ。もうちょっと!」とか言ってて。
橋本 褒めてくれてましたもんね。
新木 もっと欲しがってる福田さんを見るのが、楽しかったです。
橋本 欲しがられてましたね(笑)。
ーー新木さんは欲しがられなかったんですか?
新木 私、あんまり面白パートがなかったので‥‥。
橋本 真面目パートを担わなきゃいけないんでね。
新木 でも、作品見たらもうちょっとふざけてもよかったかも。
橋本 いや、シンデレラはアレで大正解ですけど(笑)。
新木 シンデレラがふざけ始めちゃったら大変なことになっちゃうか (笑) 。
橋本 そうそう。
ーー最後に、これから本作を観る人にメッセージをお願いします。
新木 赤ずきんが好きな方もシンデレラが好きな方も、また王子様が好きな方も、もちろん老若男女誰もが、どの視点で見ても楽しめる。そんな期待を裏切らない素敵な作品になっています。そしてしっかりとしたミステリー部分のストーリーも面白いので、ぜひたくさんの方に見ていただけたらなと思います。
橋本 もう気兼ねなく楽しんでいただけると思います。ただ原作と一緒で伏線回収が見事なので、最初の方をちゃんと見ておいてほしいです。最後に”あそこって、あぁだったのか”っていうことがあると思います。これってミステリーの醍醐味ですよね。なのでコメディーに引っ張られ過ぎず、ちゃんとストーリーを追っていただけたらな、と思います。
構成・文 / 小倉靖史
撮影 / 岡本英理
Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』
赤いずきんを被った少女・赤ずきんは、旅の途中、灰だらけの少女・シンデレラと出会う。魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらい、舞踏会へ向かったふたりだったが、カボチャの馬車で男をひき殺ししまう。バレるまいとさっさと死体を隠し、ふたりはお城の舞踏会へ。シンデレラと王子様が恋に落ちたのも束の間、死体が見つかり舞踏会は中断。絶体絶命のふたりの前に次々と現れるクセだらけの人たちの中に、真犯人の影が…。赤ずきんは、持ち前の洞察力と図々しさで事件に立ち向かう—!「美しさこそがすべて」の国で起こった悲劇の真相とは?
監督:福田雄一
原作:青柳碧人「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」(双葉社刊)
出演: 橋本環奈、新木優子、岩田剛典、夏菜、若月祐美 、桐谷美玲、ムロツヨシ、加治将樹、長谷川朝晴、犬飼貴丈、山本美月、キムラ緑子、真矢ミキ、佐藤二朗
制作著作:テレビ朝日 企画・製作 Netflix
Netflixにて配信中
配信ページ https://www.netflix.com